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第863話迷宮宇宙36


「なんだそれ?難しいことはわかんねーぞ?」


三島煌一はリーゼのその言葉に疑問符を浮かべながら言った。


「大丈夫。はじめからそっち方面で叔父さんにそんな期待はしてないよ。簡単に言うとリーゼお手製の概念爆弾だよ」


「なんだ。爆弾か」


三島煌一は得心がいったのかそう言った。


「そうそう、その認識でいいよ。一回使えば媒介クローンは概念の発動に耐えきれずお釈迦だからねー」


もっともリーゼもそして三島煌一も…さらにはこれを開発したウリンもそうだが、命を使い捨てにする完全に狂った倫理観を持つことではじめて成り立つのだが、それを気にするまともな考えの持ち主は少なくともこの最上階には存在しなかった。




その頃…


「みんな固まってっ!!」


黄泉の神が発動しミュンが復活した直後、このままでは危険と判断したミグの号令がとぶ…

その号令に一同は素直に従う。


「蝿の分際でいい度胸だねー?蹴散らしてやるよ」


ミグから伸びた触手の一撃は媒介クローンがいた一団に突き刺さる。

あの程度の攻撃なら自分なら食らっても問題ないと判断したのだ。


だが…


「どういうことっ!?」


ミグは目を丸くする。


そう。

概念爆発は起こらなかったのだ。

ミグが引き裂いたのはただのプロトクローンの一団だったのだ。


その時だ。


ミグが引き裂いた一団とは別の一団が二つに割れる…


「媒介クローンは一応それなりの数がいるけど、プロトクローンほどの数はいないから省エネなんだよ」


「リーゼ…」


ミグはその声の主の名を呼んだ。

神格エネルギーは全くと言っていいほど感じない。

おそらく…いや、確実に分体である。


「名前を覚えてくれたんだね?これからはそう呼んでよ?ママから付けてもらった可愛い名前なんだからさ?」


対するリーゼの分体は笑みを浮かべながらそう言った。


「なるほど。リーゼ、少ししか話していないが、お前らしい策だな」


「ミュラ、それは褒め言葉として受け取っておこうかな?」


ミュラに対しても分体リーゼの笑みは崩れない。


「それで?お前はいったい何をしにきたのかな?あたしがラグアのところに行くのを邪魔するつもりなら容赦しないよ?」


「怖い怖い。まあぶっちゃけ邪魔する為にリーゼはこの階層に残ったんだけどね?ねえミグ?ちょっとお話しない?パパと2万年近くパパと敵対しながら今も曲がりなりにも存在しているお前にはリーゼも興味があるんだよ?」


そう流し目を送るリーゼのオッドアイの瞳は怪しく光るのだった。

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