第858話ラピロアVSアゼルメーテ5
「さあ気を取り直していこうか?神帝蟲毒、アゼルメーテを喰らい尽くせ」
ラピロアのその言葉に従い、神帝蟲毒はアゼルメーテに狙いを定めると喰らい尽くさんばかりに迫る…
「…気を取り直して?どこをどうすれば気を取り直せると言うのだ?神玉、神格崩壊。真覚」
アゼルメーテのその言葉と共にアゼルメーテに触れた神帝蟲毒は塵となり、アゼルメーテのステータスは再び跳ね上がる…
「うっさいなー。人がなんとか立ち直ったのに、傷つくからやめてくれないかなー?泣きたいのはこっちだよっ!!これでどうやって死ねるんだよっ!!第七形態からはデフォルトで権能の概念の領域纏いがつくんだよっ!?」
再び攻撃体制に移ったアゼルメーテの連撃がラピロアを襲う…
ラピロアはそれを防ぐが、防ぎきれずに少なくない傷を負いはじめる。
「変わらないなお前は…我のやる気をなくさせたいのか?」
「そんなことないけど、愚痴りたくもなるよ…こんなの…権能の概念だけの時はまだよかったんだよ…なんとか死ねる方法はあった。不滅の概念を得た時にようやく気づいたよ。なんでパパも兄さん達もあそこまで頑なに不滅の概念をとらなかったのか…権能の概念持ち同士の戦いではお互いの概念と能力を潰すことが可能だ。でも最後の戦いの時不滅の概念を持っていたのはボクだけだった…。1番上の兄さんがパパに勝って2番目の兄さんが1番上の兄さんを倒して神帝となった…ボクと2番目の兄さんが戦って………なんでボクが権能持ちだったパパや兄さん達ですらなれなかったアラウザルゴッドで、何千京年もボクを倒す存在が現れないんだよっ!!」
「………もういい。お前が話せば話す程全くお前を倒すビジョンが浮かんでこなくなる…」
自暴自棄になっているのはラピロアだが、そのラピロアを追い詰めているはずのアゼルメーテはラピロアが話せば話す程に心が折れかけている…
これではどちらが押しているのかわからない…
「ぐはっ……さすがだね…アゼルメーテ…」
ジリ貧とも言える状況でジワジワと神格エネルギーを削られていたラピロアの体がついに神格エネルギーを失い、形を保っていられなくなり崩壊する…
そして…
「さあ…ちょっと取り乱しちゃったけど、ここからが第五形態だよ。おめでとう。ボクの血族以外で第四形態を抜いたのは君がはじめてだよ」
分譲の概念により108つに別れた魂を集結させた第五形態…
アゼルメーテの神玉の数値でも約110万にもなる膨大な神格エネルギー…
指先を動かすだけで神格エネルギーの暴風が巻き起こる化け物のような存在がそこにはいた…




