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第852話迷宮宇宙28


〜第四階層〜


「ふふふっ、あれだけ煽ったんだ。今頃はリーゼに一矢報いる決起会でもしているかな?まあ、奥の手もまだ見せてないし万が一にも遅れをとるなんてありえないけどね?そう…リーゼはパパの頭脳なんだ。ゴミ掃除程度の雑用で本気になってる方がおかしいぐらいなんだよ?」


「どうした?リーゼ?」


「あ、ごめんパパ。口に出てたね。気にしないで?ただの独り言だから」


リーゼは俺にそうなんでもない風を装って笑顔を作る。


なんかコイツもこないだのオルメテウスの一件で一応は立ち直ったように見せているが、だいぶ病んでるな…


「あんまり無理するなよ?お前は俺の大事な家族なんだからな?」


「……………そんな甘い言葉…リーゼ本気にして甘えちゃうよ?」


うん、やっぱり確実に病んでる。

普段のコイツなら絶対にこんな答えは返ってこない。

普段なら、自信たっぷりにリーゼに任せてよ…って言うのがコイツだ。


「…好きにしろ」


「わーいっ!!」


リーゼは言いながら俺に抱きつく。


「やっぱり家族愛って美しいよな?莉緒那にも見せてやりてーよ?」


兄ちゃんはなんか1人的外れなことを言っているが、ここは触れないでおこう。


「…じゃーこのままいくぞ?」


「うんパパ」


俺はリーゼをだきか抱えながら先に進む。




その後の攻略は順調だった。

幼児退行したリーゼを抱きながらでも触手の片手間だけでどうにかでもなる程に…


そして…


「ドラ◯エのデ◯タムーアかよアイツ…」


兜と2つの小手が宙に浮いていて、それぞれ片手剣と斧を装備したフロアボスであるウェポンゴッドを瞬殺してから俺は言った。


例のごとく目の前には扉が出現している。


「じゃー、鋭治開けるぞ?」


俺はリーゼに視線を送る。


「開けて大丈夫だよ叔父さん。罠はないよ」


幼児退行してても頭脳自体は衰えていないリーゼはそう答えた。


兄ちゃんは扉を開ける…


そこには…


「第五階層は魔王城か…。ダンジョンってなんだろうな?」


「俺は鋭治ほどゲームとか好きじゃねーからよくわからねーぞ?」


俺と兄ちゃんはそんなやりとりをする。


こうして俺達は第五階層の攻略をスタートするのだった。

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