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第844話迷宮宇宙20


「ダメだ。エルミナも繋がらなねー」


俺は神通をエルミナにするとリーゼに向かってそう言った。


実際のところ絶賛戦闘中のラピロアは神通に応える余裕はなく、外界と遮断されているエルミナもまた神通に応えることはできなかったのだが、それは俺達にはわからなかった。


「うーん…やっぱりアゼルメーテ自身が足止めしてる可能性が濃厚なんだけど、絶対じゃないんだよね…。そんな不確定な情報でパパを危険に晒すわけにはいかない…。だから…ここはリーゼが残るよ?パパ達は先を急いでよ?」


「いやいいわけ…」


「時間がないから早くっ!!リーゼが時間を稼ぐからパパ達は次の階層に行って。リーゼの神格エネルギーが完全にロストしたら黄泉の神でパパがいるところに戻してくれればいいからっ!!もし次の階層についたらリーゼに神通を送って!!」


俺はリーゼに反対意見を言おうとしたが、リーゼの剣幕に押されてしまった。

リーゼは既に走り出している。


おそらくリーゼはこの方法が1番得策だと判断したのだろう。

ならば…


「兄ちゃん?ウチの参謀を信じるぞ?覚醒っ!!」


俺はそう言って兄ちゃんを触手で巻き取るとアラウザルの覚醒込みのステータスで目的地を目指す…




目的地には一瞬で着いた。

敵を無視してステータスに任せた結果だ。


「おい?鋭治!?」


兄ちゃんは俺を止めるが、俺の見立てではこのトラップは問題ない。

俺はそのまま突っ切る…

横から神格エネルギーの塊が俺を襲うが、俺に到達する前に俺の触手で撃ち落とされる…

その先には宝箱があったが、中身は神級装備が5つ…


「次だ」


一応、神級スキル、万物の神で回収しつつ俺はリーゼから聞いていた次の怪しい箇所を目指す。


「おいっ!?ちょっと待てよっ!?」


あまりのスピードに兄ちゃんはそう抗議するが、リーゼがやられる前に次の階層につきたい。

ここは無視である。




ミグ達一行は第三階層を進んでいた。


「なんか前の階層と違って敵はけっこういるな?まあ大したことはないが…」


「ジオ。あまり油断はするな。何があるかわからんしな?」


ミュラとジオはそんなやりとりをする。


「!?っ、みんな気をつけてっ!!」


その異変に最初に気づいたのはもちろんアラウザルゴッドであるミグだった。


そしてその直後に襲う同時攻撃…

的確に急所を狙った9本の触手による一撃…


ミグは自分を襲った触手を弾き飛ばす。


「みんな大丈夫?」


「へぇ?やるじゃん?一撃で仕留められたのは全部で3人だけか…まあその3人ももう復活しちゃったみたいだけど?」


邪悪な笑みを浮かべながら1人の幼女…リーゼ・エルライド・イグロシアルは言ったのだった。

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