第843話ラピロアVSアゼルメーテ3
「概念融合、断絶」
ラピロア、そしてアゼルメーテがお互いに力を解放した直後、ラピロアはそう言って概念融合を発動させた。
その対象はアゼルメーテではない。
「ごめんねエルミナ?悪いけどそこで見ててくれるかな?断絶の概念融合の発動中は内部からは何もできなくなるけど、外部からの影響も一切受けない。まあ、見ることと聞くことはできるからそこで勉強しててね?さすがに第四形態じゃボクもエルミナを守りながら戦う余裕はないしね?」
ラピロアは断絶の概念融合で完全に隔離されたエルミナに対してそう言った。
エルミナは口をパクパクさせているが、すでにラピロアにもアゼルメーテにもその言葉は届かない。
完全にエルミナの存在は外界と遮断されていた…
「では…」
アゼルメーテがそう言いかけた時だ。
ラピロアの拠点宇宙に硬いものと硬いものがぶつかり合ったような甲高い金属音が鳴り響く…
「…普通先制攻撃は挑戦者に譲るものではないのか?」
「嫌だなー?ほんのあいさつじゃないか?」
空中で神格エネルギーを込めた一撃をアゼルメーテに加えたラピロアとそれを片手で防いだアゼルメーテはそんなやりとりをする。
「じゃー、張り切っていこーか。久しぶりに楽しい戦いだ。君の全てをボクに見せてよ?覚醒っ!!」
そう言ったラピロアのステータスは約3倍にまで跳ね上がる…
「覚醒っ!!」
対するアゼルメーテも覚醒を発動させる。
「あーあ、せっかく縮めたのに…。じゃー真覚っ!!」
ここでラピロアのステータスは更に倍に跳ね上がる…
ステータスだけで見ればラピロアの方が若干有利にである…
「概念融合、光天」
アゼルメーテがそう言った瞬間、全概念中最速クラスのアゼルメーテの神格エネルギーを込めた概念がラピロアを襲うが…
「へぇ…真覚を温存して光天の概念融合でくるか…でもこの程度なら…概念融合、絶壁」
アゼルメーテの光天の概念融合を弾き飛ばして、ラピロアはアゼルメーテに接近する。
ラピロアの一撃がアゼルメーテの顔面に刺さるが…
崩れ落ちたのは攻撃をくわえたラピロアの腕の方だった。
「……腐敗の概念…まさか読み負けるとか…」
ラピロアは崩れ落ちた腕を即座に切り落とすと、続くアゼルメーテの追撃の致命傷を避けながらなんとか距離をとる。
「ゴッドバーストっ!!」
「概念、神滅」
ラピロアの神格エネルギーリセットのゴッドバーストの嵐をアゼルメーテは神滅の概念で散らす…
「…神玉の…ってネタバラシぐらいさせてよっ!?」
ゴッドバーストの嵐が晴れた時、アゼルメーテはすでにラピロアに攻撃を加える寸前だった。
だが、ステータスでは若干ラピロアが有利だ。
先制はとられたラピロアだが、アゼルメーテの連撃をなんとか捌く。
「呪玉っ!!神帝蟲毒っ!!」
たまらずラピロアはそう叫んだ。




