第70話エルライド王国防衛戦
マズイ、このままじゃ国が終わる。
誰かなんとかしろ。
「ここは僕が出ようかな。発動模倣王、魔導王、強制転移」
カダルの周りに光が集まるが弾かれる。
「あ?誰だ?んなもん効く訳ねえだろ。」
「あれ?ダメか。なら発動、結界王、さらに魔導王を併用。強化王でスキルを強化。エルライド王国を強制転移。」
ノーマンのスキルでエルライド王国が横に2キロ程ズレた。
おースゲー。
「もう一回っ」
「やらせるわけねーだろ?発動、竜王、超竜召喚。」
「ギャオオオー」
突如カダルの隣に蒼い竜が召喚される。
「ライナー、相手をしろ。」
「はっ」
ライナーがと超竜に向かう。
クソがっ、結局ここで戦闘がはじまっちまうのか?
完全にマズイな。
再びエルライド王国が2キロ程ズレる。
だがまだカダルを王国外に出すには至っていない。
その時セリーが前に出た。
そうかコイツなら…
「発動、時間王、高速化をノーマン・ゲンガンに更に魔導王の補助で効果を倍加。」
今度はエルライド王国が一度に50キロぐらい動いた。
これで都を抜けて郊外までいった。
セリーの時間王は時間の操作を可能にする。
その効力は王級レベルだが、他の俺の配下と協力した時の力は絶大だ。
よし、これなら…
俺は不滅の帝で体を再生させる。
更に七大天使と七大罪と拳王の併用でステータスを極限まであげる。
格下相手に完全にナメているカダルに、俺の全力の一撃はかわせない。
俺のやった事は単純だ。
ただ、触手で全力でぶん殴っただけだ。
たったそれだけの事でカダルは300キロは吹っ飛んで行く。
返す刀で超竜を引き裂く。
こちらは即死だ。
俺が存在しない前提の一回しか使えない不意打ちは完全に決まった。
とにかくこれで国の外に追い出した。
最初からやってもよかったのだが、ノーマンやセリーのサポートがないと大技を使われた時の余波で更地になる危険性がある。
こうしている間にもエルライド王国はどんどん遠ざかっていく。
カダルは胴体が消し飛んでいるが、一瞬で再生する。
「ゲホォーっぐぐっ、あー?誰だテメエ?オレのHPを一撃で0にしやがる様なヤツなんかこの国にいるわけねえのに。」
「好き勝手やりやがって、望み通り遊んでやるよ。最大の懸念も消えたし遊んでやるよ。楽しい殺戮の幕開けだ。」
こうしてなんとか自国の巻き添えを逃れたラグアは大勇者カダルに向かい合うのだった。




