第838話迷宮宇宙17
時はミグ達がスタート地点からの攻略をはじめた頃まで遡る…
俺達は火山地帯を進んでいた。
「また雑魚かよ?いい加減飽きたぞ?」
「…はいはい叔父さん。めんどくさいけどリーゼが倒すよ」
兄ちゃんとリーゼはそんなやりとりをする…
当初の予定通り、最初の敵に関しては俺が相手をしたが、多少…まあ誤差のレベルで強くなったかも知れないが雑魚だった。
俺が戦わなくても十分に対処は可能だ。
そう結論を出してからは、そもそも気配でだいたいの相手の強さがわかるので、兄ちゃんとリーゼが相手をしている…
もっとも既に飽きている兄ちゃんの様子を見ればわかるように、数だけは尋常ではないが…
集めたドロップアイテムも今リーゼが始末した分を合わせて既に5478…
当初の目的の一つである、ドロップアイテムは既に半分以上集まりつつあるが、兄ちゃん達に任せている為問題の怪しい箇所にはまだたどり着けていない。
それからさらにしばらく敵を倒しつつ俺達は進む…
〜
「鋭治?これで?10000だよな?もう無視していいんだよな?」
顔に露骨に嫌悪の表情を浮かべながら兄ちゃんは言った。
「いや、無視はよくないと思うよ?そもそもこの階層だからそう思うだけで、本来手に入れるのが大変なものばかりなんだよ?」
リーゼはそう反論した。
「…リーゼの意見ももっともだが、俺もいい加減めんどくさくなってきたんだよな…」
そう。
核玉の強化に必要な分が集まってもいまだこの階層には敵は溢れているのだ。
一つ目の怪しい箇所は目前だが、それを阻む敵もそれなりにいる…
「とりあえずこれ以上チンタラするのは俺もめんどくせー。だから…」
俺はそこで一度言葉を切るとニヤリと笑う。
「残りの雑魚共には俺の新技の実験台になってもらうとしよう」
俺は言った。
核玉の強化に必要な分が集まったということはもちろん核玉の強化も終わっている。
つまり核玉は新たな能力を獲得したのだ。
俺は核玉を発動する為に神格エネルギーを込める…
俺の神格エネルギーを受けて核玉は赤く…いまでも赤いがより鮮やかに発光する…
「神帝憑依っ!!」
俺は新たな力…強化された核玉のその力を解放するのだった。




