第831話迷宮宇宙10
俺達はリーゼが言ったその場所に到着する。
だいぶ急いできたが、何しろこの永久凍土は広すぎる…
次の発生にはギリギリ間に合わなかった。
俺は既に塞がってしまった穴の上に浮いているネックレスの見た目の神装獣を触手の一撃で引き裂く…
神装獣はすぐにネックレスのドロップアイテムに変わる…
「さて、あとはここで5分弱待てばいいってことだよな?」
俺は519個目のドロップアイテムを収納しながら言った。
ちなみにここまで来る途中に一体だけ神級獣を見つけたが、急いでいた為に無視した。
まあ、結局間に合わなかったが…
「5分弱か…待ってる間暇だな。リーゼ?久々にアレやんねーか?」
兄ちゃんはリーゼに言った。
ちなみにアレとは模擬戦である。
「んー。リーゼは個人的には別にやってもいいけど、今はダメかな?そんなくだらない事でリーゼや叔父さんがバテたらパパ困るだろうし?」
リーゼはちらりと俺に視線を送る。
もちろんバテられたら困るので俺は頷く。
「ならどうするよ?なんかいい暇潰しはねーのかよ?」
基本的にじっとしてられない性格の兄ちゃんは俺にそう言った。
「暇潰しってわけじゃないが、時間がある今のうちにドロップアイテムを核玉に吸収しちまうか」
俺はそう言って核玉と今まで集めたドロップアイテムを亜空間から取り出す。
永久凍土には519個の神級装備や神級武器…ゴッズウェポンの小山ができている…
俺は核玉に食わせるようにその小山に核玉を接触させる…
すると小山は核玉に吸い込まれるようにして消えていった。
「これでダメなら神帝の絶対領域で食わすしかなかったがなんとかなったな?」
「ねえパパ?これさ?核玉で相手のゴッズウェポンを受けたらどうなるんだろうね?」
「………」
リーゼのその言葉に俺は固まる…
裏技?
いや、仕様を完全に悪用したエグい反則技か?
もちろん俺はそんな事は一切気にしない。
「今度試してみたら面白いかもな?」
「そうだねパパ。他に面白い使い方も探せばあるのかな?」
「なかなか面白そうな話じゃねーか?」
こうして兄ちゃんも話に加わり、5分弱の暇はなんだかんだで退屈することなく過ぎ去っていった。




