第825話迷宮宇宙4
「くくくっ、脆すぎんだろ?」
俺の目の前では兄ちゃんが次々に襲いかかってくる武器や防具を相手に無双している…
今のところ俺の出番もリーゼの出番もない。
ただ俺のやる事はと言えば…
「こんで121と…」
ドロップアイテムの回収…それだけだ。
その時だ。
「鋭治?なんか扉があるぞ?」
ただ流れ作業的に回収してた俺は兄ちゃんの示す方向に目を向ける…
「見た感じ仕掛けはねーな?開けるか」
俺はそう言って扉を開ける…
扉の先には人影が見える…
西洋風の鎧に立派な盾…
さらには煌びやかな装飾の剣を装備している。
だがそれがまともな生物ではないのは、鎧の中身がただの闇であることが何よりの証明だ。
鑑定の表示にはウェポンゴッドと表示されている。
そしてその存在はさらに後ろの扉を守るように立っている…
「フロアボスってヤツか…マジでダンジョンなんだな…」
俺はしみじみそんな事を呟いた。
「そーいえば、鋭治はけっこうゲームとか好きだったよな?先に進むにはアレを倒せばいいのか?」
兄ちゃんはそんな俺にそう問いかけた。
「ああ、たぶんな?さっきまで兄ちゃんに蹴散らされてたのが、神級獣や神装獣だとして、とりあえずはじめてのウェポンゴッドだ。ここは俺が…」
俺がそう言いかけて前に出ようとした時だ。
「いいよパパ。ここはリーゼがでるよ」
俺を制しながらリーゼが前に進みでる。
「おい?あんまり油断するなよ?」
俺はそう言うが、実のところあまり心配はしていない。
神格エネルギーは相変わらず感じないが、気配自体はある。
その気配は兄ちゃんが散々蹴散らしてきた神級獣や神装獣と比べて若干強い程度だ。
俺…いや…リーゼのレベルでも誤差としか言えないレベルだ。
実際のところ、目の前のウェポンゴッドは神級獣や神装獣に比べ遥かに強く、それこそ生まれたばかりのオリジンゴッドの数倍の強さを持つのだが、そんなものはこのメンバーの中では誤差としか言えなかった。
「パパは本当に過保護だよね…まあ、安心してよ。すぐに蹴散らしてくるからさ?」
そう言ったリーゼの赤と青のオッドアイの瞳がギラリと光る…
こうしてリーゼとウェポンゴッドの戦い…否…蹂躙ははじまろうとしていた。




