第824話迷宮宇宙3
俺は鎖鎌から視線を切らない…
見たところ神格エネルギーは感じない。
試しにいつでも退ける程度の力で攻撃してみるか。
そう判断し、俺は一歩踏み出すと一回だけ触手のフェイントをいれてから、本命の触手を横なぎに払う。
うん。
鎖鎌が木っ端微塵になりました。
「雑魚じゃねーかよ?この程度なら俺でも余裕だぜ?」
兄ちゃんは鎖鎌の残骸を見ながら言った。
「たしかにこの程度ならどうにでもなるけどさ…。言い方ってものが…ん?」
リーゼの視線の先…
鎖鎌の残骸は輝き、鎖鎌の形に再構成される…
一瞬再生したかと思ったが、そういうわけではないらしい。
俺は鎖鎌に鑑定をかける。
〜
神級武器、千神の鎖鎌…
その予測不能な動きは神の如く…
この武器は神格エネルギーを込めることにより、自由意思を可能にする。
所有者の意思に関係なく、所有者が敵と認識した存在を内包している神格エネルギーのある限り葬る…
注ぎこむ神格エネルギーの量しだいでは、千の神をも凌ぐ…
〜
俺はその説明文を読むとそのまま亜空間に収納する。
「つまりここにはこんなのがそこら中にいるって事か?」
「その可能性が高いね?パパが空けた穴からはまだまだ気配がするし…」
俺のその言葉は誰に向けたものでもなかったが、リーゼが答えてくれた。
「なら手っ取り早く目的を果たすにはこっちだな?ほら、鋭治、行くぞ?」
そう言った兄ちゃんはズンズンと穴の奥に進む…
まあ間違ってないが、昔から兄ちゃんって勝手だよな…
俺はそんな事を思いながら、リーゼと共に兄ちゃんについていく…
〜
ラグア達が穴の奥に進んでから約10分後…
ラグア達が最初にきた場所には別の集団が現れていた。
目の前には一本道…
そして右隣りには真新しい大穴…
「ラグアの気配は穴の奥深くから感じるねー。ただできればラグアに会う前に起玉の強化を済ませたいんだよねー」
「ミグ。成長したな?妾はお前からそんな言葉が出るとは思わなかったぞ?」
青髪の少女…蒼天ミグ・ヒピーのその言葉に赤髪の少女…こちらは15歳程度の見た目だが…ミュラ・ゾフィスは答えた。
「そりゃね?ラグアには何回もボコボコにされてるんだからいい加減学ぶよ。今回で絶対仕留め切る…いやあたしだって学ぶよ?さすがにそこまでの根拠のないことをできる自信はない。でもね?最低でもとりあえずは痛い目を見てもらおうか?」
ミグはその場に連れてきた見知った顔達に向かって笑みを浮かべながら言って、ラグア達が進んだ方向とは別の一本道に進むのだった。




