第821話1ヶ月の動き…3
「ふむ…」
フィードアークは考える。
着目すべきは連名のメンバーだ。
連名の中で誰がこの命令を下したか…
考えるまでもない。
頭でっかちチビ女…セリーだろう。
他の2人はそんな命令を下すようなタイプではない。
星王ノーマン・ゲンガン・イグロシアルにも会ったことはあるが、あれこそ実力がゴミすぎて、どうしてあんな地位にいるのかわからないヤツだった。
だが、同時に全ての興味が力以外…娯楽といえばいいのだろうか?
それに向いていて、好んでそんな命令を下すタイプではない。
おそらくは利用されたのだ。
逆に総統のライナー様にもあった事はあるが、あの戦闘に対する才能は本当に尊敬に値する…
だが、同時に戦略や謀略に長けているタイプでもなかった。
そうあの方は純粋な力のみで今の地位までのし上がったのだ。
それはかなり好感が持てるのだが、逆に苦手な方面…それこそ戦略や謀略といったものを片腕である頭でっかちチビ女…セリーに任せている節がある。
こちらも名前だけ使われているのだろうと推測はできる。
なら断るか?
いや、名前だけとはいえ、星王や総統の名前が入っている命令に背けば、それはそのまま白天様に対する背信行為になる。
つまりは受けるしかない。
あの頭でっかちチビ女の思惑通りに動くのは癪だが…
「かしこまりました。このフィードアーク。謹んで受けさせていただきます…とノーマン様とライナー様に伝えてくれ」
あの頭でっかちチビ女の名前を出さないのはせめてもの反抗だ。
「おーけー伝えとくよ。じゃー私は時間がないから次にいくね?」
そう言ってフィリアは退室した。
どうやら他の宇宙統括からも戦力を結集させるようだ。
しばらく待つとフィリアの気配が宇宙から消える…
次の宇宙に向けて転移したようだ。
その瞬間だ。
耳をつんざくような轟音と共にフィードアークの城の上部が吹き飛ぶ…
他でもない。
やったのはフィードアーク自身だ。
「フィードアーク様…」
「…直しておけ。それからフィリアが言っていたオリジンゴッドを集めておけ。それが済みしだい本国に向かう」
フィードアークは言った。
そう。
セリーは三島煌一の強化を少しでも早める為、独自に最高幹部を集めてローテーションに組み込もうとしていた。
そしてそれはそれぞれの思惑こそあれ、着実に進んでいた。




