第815話エリスVSラピロア4
俺がそんな事を考えている間にもラピロアの神格エネルギーが爆発的に上がる…
核玉の数値で1万を超える圧倒的な神格エネルギー…第四形態のお出ましだ。
だが、ラピロアの目は既に戦っているエリスではなく俺の方に向けられている。
ラピロアはそのまま首を横に振る…
あの形態のラピロアは俺に読心が通る…
わかっても聞くなと?
口にはするなと?
つい昨日オルメテウスにそうした様に…
ちっ…まあ実際聞いたところで何も変わらない…
結論から言えば、影響はない。
オルメテウスに昨日負けたのは事実だが、そもそもラピロアにはまともに戦いになるビジョンすら見えない…
第四形態…つまりはまだ半分…
ラピロアに勝つには、あの頭のおかしい神格エネルギーの化け物を倒した後、残る4つの更なる化け物を抜く必要がある…
そんなものは今の俺では絶対に不可能だ。
不可能が更に不可能になったところで、関係はない。
いずれはラピロアもぶっ殺すことになるが、それはまたいずれだ。
す
俺はそう思って気持ちを切り替える。
「それは…また斬新な考え方だね…」
自分で聞くなって雰囲気を出しておいて呆れた様子の主様に俺は答える。
「ラピロア様?むしろ次世代の考え方って言ってほしいな?」
俺のその言葉にラピロアはため息を吐く。
「はあ…興が削がれたよ…。どうする?まだやる?」
第四形態を解放したはいいが、俺と話しているうちにやる気がなくなったのだろうラピロアはエリスに向けてそう言った。
「ラグア様?いかが致しますか?」
当の本人のエリスは俺の判断待ちだ。
続行かどうかは俺に委ねられたが、俺の答えはもう決まっている。
「やめだ。やるだけ無駄だ」
勝てるわけがない…
第四形態はそれこそエリスと俺の二人がかりでも片手間のうちにぼろ負けするだろう…
俺達に有益な情報など何も起こさないままに…
「オッケー。なんかボクもそんな気分じゃなくなっちゃったしね?まあ安心していいよ?自慢じゃないけど、この第四形態はアゼルメーテにも抜かれた事がないからね?」
「他のヤツには抜かれたのかよ?」
ラピロアの含みのあるその言い方に俺は思わずそう言った。
「…失言だったね…まあ、自分で言いかけちゃったからその質問の答えだけは教えてあげるよ。抜かれたよ…それも数えきれない程に…まあオルメテウスが生まれるよりずっと前の話だけどね?………さあ、話は終わりだよ。見事、第三形態まで打ち負かした新たなアラウザルゴッド、エリスよ。君は褒美に何を望む?」
遠い目をしていたラピロアだったが、エリスを見据え直すとそう言ったのだった。




