第803話反省会2
今回俺が集めたメンバーは、様子見として出したキャリーメル達を除いた、オルメテウス戦に参加していた主要メンバー全員…俺、エリローズ、姉ちゃん、エリス、リーゼ、リムリット、ミグ、テオレーム、アナシスタの9名だ。
ガタッ…
全員が揃うと早々に姉ちゃんは立ち上がった。
そしてそのまま深く頭を下げる。
「ごめんなさい鋭治…オルメテウスとの戦いは引き分けって言えば聞こえはいいけど、事実上の負け…。しかもまともに役に立たないばかりか、最後の決戦時には逆に鋭治に守られる始末…今回のこの様の全責任はあたしにあるわ」
姉ちゃんは最初は消え入りそうな声だったが、最後ははっきりとそう言った。
姉ちゃん達には、一応神通でオルメテウス戦の簡単な概要は伝えてある。
俺は答えようとするが、その前にリーゼが口を挟む。
「リオ姉だけの責任じゃないよ。リーゼも今回に至ってはパパにはごめんなさいしか言えないよ…そもそもリーゼの立場なら嫌な予感がする時点で、今回はまだ攻めるべきじゃないってパパに進言するべきだった。ラピロアに助けられたからいい?パパが無事だからOK?…ありえないよ。そんなんじゃ参謀が聞いて呆れるよ…リーゼは…」
「おい、やめろ」
あまりにあまりなリーゼの物言いにさすがに俺は口を挟んだ。
リーゼは自分の行動を非難しているのだが、その言葉は全て姉ちゃんに突き刺さっている…
「私もラグア様からいただいたお力に過信し…」
「俺は状況が悪いとはいえ勝手な行動を…」
「聞けっ!!」
エリスとテオレームが姉ちゃんとリーゼに続いて俺への謝罪をはじめ、次々に謝罪しようとするあたりで俺は声を荒げる。
さすがにこの流れはよくない。
しゃーない…
ヤダけどやるか…
俺は覚悟を決める。
「あ?どいつこいつも自分が悪いだ?お前らに問う。この国の支配者は誰だ?」
俺の言葉に一同は静まりかえる…
「なら質問を変える。この国で最終決定権があるのは誰だ?」
誰も何も言わない。
「誰も答えねーか?なら教えてやる。この国の頂点は俺だ。こんな言い方はあんましたくはねーが、お前らは所詮俺の手や足でしかねえ。お前ら例えば左手で何かを失敗した時に、わりー、左手が勝手に…とか言うつもりか?」
俺は更に続ける。
「そして今回の件でそれこそ、てめえの力を過信して勝てもしねー化け物を殺そうとしてあまつさえ死にかけたのはアホは他でもねえ。頭である俺だ」
「けっ決してそのような事は…ラグア様は…」
「エリスっ!!まだ話は終わってねえっ!!」
途中で口を挟もうとしたエリスに向かって俺は怒鳴る。
俺がこいつに怒鳴ることってほんと滅多にないよな…
「そして頭の俺にとって、手や足は大切な俺の一部だ。頭が悪いから頭を切り落とすか?冗談じゃねー死んじまうだろうが?左手が悪いから左手を切り落とすか?ふざけんな?痛えだろーが?アホな頭に従うアホな手足はアホな行動しかできねえ。他でもねえ。頭である俺…神星帝、ラグア・エルライド・イグロシアルが言っている。これでも文句のある救いようのねえアホはいるか?あ?こら?」
ギロリとかなり本気で殺気を出しながら俺は睨みつける。
誰もが真剣な眼差しで俺を見つめるだけで何も言わない。
ただ一名を除いては…
「いつになく?カッコイイラグア様の?もっといいとこ見てみたい?ぐーいぐい…」
大バカ…こんなことするのは1人しかいない…が俺の手元にテキーラを出現させる…
いろいろ台無しである…




