第67話ノーマンとの面会
ミグに手も足も出ずにやられた翌日、約束通りノーマンがやってきた。
ノーマンは相変わらずの様だった。
「どうも、ラグア君に呼ばれてきたよ。あれ?ラグア君は?」
エリスか答えた。
「ラグア様は今、お忙しい。代わり私が話を聞こう。ノーマン殿はこちら側に味方すると言う事でよろしいのか?」
「あれ?呼ばれたのにラグア君いないのかー。なんかさーラグア君死んじゃったみたいな噂もあるんだけど本当?」
俺は思う。
さすがにこいつも魔王だけあって耳が早いな。
しかし、誤魔化すつもりだったけどこれはマズイな。
こいつの力はなんとしても欲しい。
しゃーない、俺が出るか。
俺は言う。
「よおノーマン、10日ぶりだな。万が一にも俺が生きていると悟られる訳にはいかねーから、姿を現わす訳にはいかねーが、とりあえず死んではいねーよ?」
「あれ?リリスのヤツが君がミグさんに殺されたって触れ回ってたけど、間違いみたいだね。ガセネタは早めに正した方がいいよね?僕がみんなに君が生きてるって言ってくるよ。」
「やめろ、バカ。俺の邪魔をするな。今は俺が生きている事を悟られたくはない。お前は確か俺につくと言ったな?とりあえず俺が今現在欲しい情報は、13魔王の動きと他の帝級スキル持ちの情報だ。あー、ミグとミュラ以外にしろよ。ミグにはまだ勝てないし、上位3魔王の1人に守られている、ミュラを倒すのも無理だ。」
「いいよ。えーと、上位3魔王は今はみんな龍王星で戦闘中だね。ミュラさんの言う神魔大戦は上位3魔王達が決着をつける為に惑星を造り出して戦ったらしいけど、造った惑星は消滅。余波でアルムスも半壊したらしいから、龍王星が無事みたいだからまだ本格的にはやりあってないみたいだね。他の13魔王はみんな好き勝手に動いてるよ。ミュラさん、ミグさん、ジオさんがいなくなって抑える人がいなくなったってのが、一番だね。最後に他の帝級スキル持ちだけど、ごめん、そっちは詳しい事はわからない。ただミュラさんによると確実に持っているだろう存在は2人、神魔大戦、人類側の唯一の生き残り、大勇者カダル・ミルレウスと神魔大戦初期にさっさとアルムスを捨てて逃亡して、神魔大戦終了後に北の大陸の支配者となった覇王。こっちは名前まではわからないや。2人とも実力はミグさんには及ばなくてもミュラさんやジオさんをも凌ぐと言われてるからたぶん帝級スキルも1つじゃないと思うよ。」
俺は考える。
どこにいるかもわからん、大勇者はとりあえず後回しにして、なんとか覇王ってヤツを倒したいが、話を聞く限り勝てない相手は諦めて逃亡する様な性格らしい。
格下ならいいが、同格クラスに逃亡に専念されると倒すのは難しい。
「エリス、とりあえず覇王とか言うヤツの情報を調べろ。」
「はっ」
「ノーマン、いい情報だった。この国から出なければ自由にしていていい。何かあればエリスを通して俺に言え。」
「りょーかい。じゃー、ちょっと観光してくるねー。」
ノーマンはそう言って出て行った。
俺は考える。
覇王か大勇者、最低でもどちらかを倒して神級スキルに上り詰めないとミグを倒すのは難しい。
しかも、神級スキルに至るまでに、俺が生きているのも悟られる訳にはいかないからチャンスは一度きり。
慎重に行動してたら、けっこうな時間がかかりそうだな。
あー、めんどくせー。
俺は内心で溜息を吐いた。




