第800話眠鬼戦後…2
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「さてセリー?想定内とは聞いたけど、詳しい状況は?」
「はっ、ラグア様達がオルメテウスに向けて出撃された後、リーゼ様の仰った通りの場所に…最高神達を集めている宇宙に襲撃がありました。敵の1人はリーゼ様の予想通りラグア様ご本人にしか見えませんでした」
セリーは言った。
「やっぱりシャドウが動いたか。コレンの動きは?」
「はっ、コレンはリーゼ様が仰っていた通り、しばらく動きがありませんでしたが、最高神どもを餌に使って泳がせていると想定通り出てきました。その段階で一部の星王の方々やライナー様をはじめとする、イグロシアル最高戦力、下位勢…そして準最高戦力…第二星帝ルーグ様以下、第九星帝まで…さらには特別星帝、三島煌一様も全て投入しました。個々の実力は向こうの方が上ですが、こちらも出せる全戦力を投入しました。現在も戦闘は続いております」
セリーのその言葉にリーゼは邪悪な笑みを浮かべる。
ようやくいつもの調子が戻ってきたようだ。
「ふふっ、その様子だと倒すより逃がさないように重点を置いてたみたいだね?よくやったよセリー」
「いえ、私はリーゼ様のご命令を皆様に伝えただけなので…」
「謙遜なんかいらないよ。いざという時、臨機応変に対応できるのは、リーゼとリオ姉を除けばお前だけだよ。現場の司令塔にラルファを据えたのもセリーの判断みたいだしね?」
惑星国家イグロシアル、第六星帝、ラルファ・オルガット・イグロシアルは集団戦闘の指揮に長けている。
これもセリーの人選である。
「ありがたきお言葉にございます」
これ以上謙遜すれば逆に失礼になる。
セリーは深く頭を下げる。
「ふふっ、やっぱりお前は今のまま燻らせておくのはもったいないよ。まあ色々考えてるから期待しといてよ?」
「私ごときの為にありがとうございます」
セリーはもう一度深く頭を下げる。
正直、手持ちの戦力だけでもシャドウラグアとコレンのコンビを撃破できる可能性は十分にあった。
だが、セリーは確実に仕留める為にあえてそれをしないで、逃がさない事に重点をおいた。
高評価である。
パンッ
ここでリーゼは手を叩く。
「さて、パパの留守中に人様の宇宙で好き勝手しようとした愚か者共にわからせてあげようか?入場料は命だって事をさ?」
ミグとリムリットに向けてそう言ったリーゼの調子はもうすっかり戻っていた。




