第796話白天VS眠鬼9
「私の全身全霊を込めた一撃で相討ちか…。恐ろしい化け物だな」
「こっちのセリフだ。破壊不能の絶対防御を2枚も破りやがって…」
俺とオルメテウスはお互いの健闘…いや、イヤミの方が強いかも知れないが讃えあっている。
俺の不滅の領域纏いをぶち抜いたオルメテウスだったが、俺はオルメテウスの離脱を掴みかかることで遅らせた。
結果はオルメテウスが振り解く頃には俺の神帝の絶対領域がオルメテウスを吸い尽くした。
俺は即座に一瞬だけ解除してから、再び神帝の絶対領域を発動したが、さすがに効果範囲の外に逃げられた。
黄泉の神による復活を果たしたオルメテウスの神格エネルギーは核玉の数値で約260…
俺の不滅の概念を破った時にオルメテウスの神域纏いも同時に壊れていたようだ。
それにしても、一撃で200以上の神格エネルギーを持っていくか?普通…?
「さて、どうやら次が最後のチャンスのようだ。この増えた神格エネルギーで私は再び全力の攻撃を仕掛ける。次で破れなければ、お前の吸収速度が上回るのは明白だ。さあ、最後の勝負といこう…」
オルメテウスは奪った神格エネルギーを全開にする…
来る…
なんとしてもこの一撃だけは耐える…
俺は奪った溜めに溜め込んだ神格エネルギー…核玉の数値で1536にもなる莫大な神格エネルギーを全開にする…
その時だ。
「「!?っ」」
俺とオルメテウスは同時に反応する。
そして即座に俺達2人を襲う金縛り…
これはたぶん凍眼か…
俺も一応使えるが、ここまで頭のおかしい威力で使えるヤツは俺は1人しか知らない。
早くねーか?
いや、ぶっちゃけ一か八かだったから助かったけどさ?
「はいそこまでー。2人共喧嘩はよくないよ?」
白々しい声で一応の俺の主はそんな事を言った。
「ラピロア様」
「ラピロア」
俺とオルメテウスはほぼ同時にその名前を呼ぶ。
「2人共強くなったね?いや、オルメテウスはやっとその気になってくれたって言ったほうがいいか?まさかボクに第四形態を出させるなんて、はじめて会った時以来じゃないかな?てか宇宙がひどい状態だね?まあ、仕方ないか。これはボクからのサービスだよ。複合融合、概念、再生、創造」
そのラピロアの言葉の直後、俺たちの戦いで荒れ果てた宇宙は元通り綺麗になる。
ふざけた力…
強くなればなるほどにコイツのヤバさがよくわかる…
感じる神格エネルギーも核玉の換算で1万を超えてるし…
はじめて見た時にはわからなかったが、これが第四形態かよ?
「さて、ラグアにサービスは…いらないよね?」
これ以上言わせるなと言う調子でラピロアは言った。
つまり早く来たのはラピロアが止めに入らなければ俺は負けてたってことか。
「ああ。ラピロア様」
俺は一応感謝の意を込めてそう返事をした。




