第787話老害と揶揄された者達…
時はラグアが神界に乗り込んできたところまで遡る…
場所はオルメテウス支配下の宇宙の一つ…
そこはもはや地獄と化していた…
見渡す限り惑星や恒星の残骸が行く宛もないままに、ただただ彷徨う…
誰の目から見てもその宇宙は滅びたと言わざるおえないだろう…
そして、それをやってのけた存在はたった1人…
元神柱の2…暴帝のサーリーナ…
神帝ラピロアの配下にしてその中でもっとも過激派と呼ばれる存在…
暴れ狂う魔力は全ての有機物、無機物に関わらず平等に破壊する…
暴魔の概念…
それが彼女がオリジンゴッドとして生まれたと同時に授かった概念だった。
ただ
ラピロアの配下にはサーリーナ自身とメフストニブルというラピロアに時代遅れの老害と揶揄された者がいる。
老害…
メフストニブルはわからないが、そう呼ばれる事にはサーリーナとしては不満はなかった。
元々サーリーナは、ただひたすらに好き勝手に破壊の限りを尽くしていたら、いつの間にか暴帝と呼ばれるようになっていた。
そもそもサーリーナがラピロアに付き従う理由は、自由に暴れるのにもっとも都合がいいからに他ならない。
それ以上でもそれ以下でもない。
基本的に適当なラピロアははあまり配下を縛らない。
もっともそれが原因でサーリーナ達、過激派と呼ばれる一部の配下達が全宇宙で暴れ回ることに繋がっているのだが…
「フフッ…全く歯ごたえがない。所詮はラピロア様に次ぐ古参であるはずのオルメテウスの宇宙もこんなものか…まあ、妾には関係ないか。妾はただ命令通り破壊の限りを尽くせばいいだけ…」
サーリーナの外見は、見る人によっては紺色の髪と赤い瞳が特徴的なキツめの印象を受ける美女と言える容姿だろう。
だが、彼女を知っている者はそんな印象を受けるものなどいない…
悠久の時を生き続け、長きにわたり君臨し続けるなり損ないのイナゴ…
ラピロア配下、元神柱の中でもっとも過激派…
ほとんどの者達にとってそれは畏怖の対象でしかなかった。
「まあいい。次…」
サーリーナが既に滅した宇宙をあとに、次の破壊を撒き散らす為に宇宙を跨ごうとした時だ。
唐突にこちらに来る気配を感じる…
そしてその懐かしいとすら感じる気配は見知った気配だ。
「来たか…妾の好敵手よ…」
サーリーナは邪悪な笑みを浮かべる。
そして次の瞬間、サーリーナの見知った気配…
ティナ・ポロワが現れるのだった。




