第784話エリローズVS鬼情2
「そうですか。ですが領域纏いと領域発生を封じただけで私に勝ったとでも?なめられたものですね?私がその気にになる…ただそれだけであなたは命が消えるというのに…」
鬼情の制約に対してそう言ったエリローズは自らの神格エネルギーを全開にする…
それは核玉の数値にあらわすと116と少しにもなる、とてつもない量だった。
鬼情は仮面の下で目を見開く。
「っ!?ここまでとはな…。全力の喜鬼…いやこの場合はティナと言った方がいいか。それに匹敵する程とは…」
当然だ。
そもそも、神級装備、逆襲神の指輪によりティナの神格エネルギーを上乗せしたのだから…
「ふふふっ、それでは鬼情。さようなら…制約には多少驚かされましたよ?」
そう言ったエリローズの姿は一瞬で消える…神格エネルギーを全開にしたエリローズのステータスは凄まじい鬼情は抵抗すら許されずに真っ二つに…なるはずだった…
「おや?まさか躱されるとは…」
エリローズは一瞬目を見開くが、すぐに追撃に移る…
だが、鬼情は再び躱す…
しかもその躱し方は…
「転移…?いえ、そんな気配は一切ありませんでした…なら何故?」
意味がわからない…
ならば…
「発動、概念、支配、消滅」
エリローズは神格エネルギーを込めながら二つの概念を同時に発動させる…
支配の概念を組み込むことで神格エネルギーを込めた消滅の概念には指向性が生まれる…
さらに概念を発動させたこと自体にも意味がある。
それはエリローズ自身が自由に動けるということだ。
これが仮に受けられたのだとしたら、それはもうどうしようもなかった。
だが、鬼情は躱すという選択肢を選んだ。
それはつまり当たったらただじゃ済まない事の証明に他ならない。
そしてそう判断したエリローズは手数を増やすことを選んだ。
概念を使った攻撃は神格エネルギーの吸収はできないが、もはやそんな贅沢は言っていられない。
だが…
鬼情は目にも止まらぬ速さで…転移?
を繰り返し、神格エネルギーを込めたエリローズの消滅の概念とエリローズ自身の攻撃を全て躱してみせる…
これにはさすがのエリローズも驚愕せざるを得ない。
神格エネルギーは私の5分1程度…
ラグア様の核玉の数値だと30にも満たない…
こんな動きができるはずは…
「わかったか?白天の血族よ。最強の最高神である余の力が…」
仮面の下に笑みを浮かべながら鬼情は言った。




