第65話神に迫りし者
「まずは光速の帝で俊敏を∞にして、理の帝でHPと俊敏を入れ替えてと…」
いやいやいや、HP∞とかどうやって倒すの?
何?バカなの?
「HP∞になったところで不滅の帝で無限分裂を発動。」
亜空間いっぱいにミグが数えきれないほど分裂する。
「てか、千手観音モードだっけ?あれ便利な技だよね。いい機会だから本当の使い方教えてあげる。間合い無視する為に次元の帝を付けて、重力帝を触手に付与してと…」
間合い無視ってなんだよ。
分裂体こんなにいる時点でいらないだろ。
オーバーキルにも程があるわ。
重力帝はわからないが当たったらタダじゃ済まないのはわかる。
てか、触手に帝級スキルをのせるとかそんな事できるのかよ。
「さらに魔導帝を分裂体の制御に回してと、さすがにこの数はあたしの頭じゃ制御しきれないからね。はい、これで完成。本気モードだよ。あたしはいつでもいいよー。」
嘘だろ?おい?
勝つ勝たないどころかこんなの、戦闘はじまった瞬間消滅させられるわ。
「あれー?来ないのー?じゃーこっちから行くよー。帝級スキル、魔導帝、マジックハザードっ」
おーい?帝級スキル付与した触手どこ行った?
完全に見せたかっただけじゃん?
何?こいつバカなの?
爆発。
俺はなんとかこっそり逃した自分の体の一部から復活する。
本体?当たった瞬間消滅しました。
ヤバイだろ?
あんなのマ○ンテじゃん。
「まだ生きてるのー?じゃー連発だー」
部屋中に広がるミグの分裂体から先ほどの技が放たれる。
嘘だろ?マダ○テ連発し出したよ。
全てを破壊する魔力爆発。
立っているのはHP∞のミグだけ…のはずだった。
クソがっ
怠惰を今ので使っちまった。
もう次は防げない。
俺は七大罪の怠惰のダメージ無効を使ってなんとか生き延びた。
だが、ミグには予想以上に効果があったようだ。
完全に狼狽している。
「え?嘘でしょ?なんで?なんでまだ生きてるの?これで死なないなんて…」
「なんで?なんで?あたし、これ以上の威力の技なんてないよ。正真正銘の全力なのに、1000万年近く前に、ロロ様の分体すら消滅させた、あたしの最強の技なのに…」
ミグの技はアルムスを余裕で数万回消滅させる威力を持つ。
ラグアの使ったのがダメージ無効ではなく、ステータス上昇などだったら完全に詰んでいた。
その技により、ミグはロロの分体なら殺した事がある。
もっとも、神級スキルに守られている本体には全く通用しないのだが…
しかしそれがあったからこそ、ミグはロロに気に入られたのだが…
俺は考える。
ミグは完全に狼狽しているが、俺はもう次にこの技が来たら防げない。
だが、精神攻撃と言う意味では十分な効果があった様だ。
なんとかこのまま引いてくれねーかな。
だが、俺の祈りは通じなかった。
「ハハハハハハっ、あたしにはお前を殺せないみたいだよ。でもお前は危険だ。ジオっちの件がなくてもこのまま放っておくわけにはいかない。
発動、重力帝、ブラックホール。
殺せないなら仕方ない。永遠にあたしの亜空間の中で消滅と再生を繰り返しながら苦しめ。それがラグア、お前がジオっちを殺した報いだよ。」
俺の周りを真っ黒に覆い尽くす黒いもの。
クソっ閉じ込められた。
突如、超圧力がかかり俺の体が消滅する。
だが、俺の不滅の帝も負けてはいない。
すぐに再生する。
2つの帝級スキルは拮抗して、消滅と再生を繰り返す。
「さて、まさかあたしの最強の技で殺しきれないなんて思わなかったよ。あたしは行くよ。あとはゆっくり楽しんで。この技は一度入ったらお前の存在が消えるまで出れないからね。自殺したくなるまでゆっくり遊んでてね。」
その言葉を最後にミグは転移した。




