第775話互いの理想郷
俺達はオルメテウスの神界に転移した。
そしてエリローズと会話をしていたら急に質問された。
俺の答え?そんなもん決まってる。
「理由なんかねーよ。そこにぶっ殺してえ存在がいるからに決まってんだろ?そしてそれが今回はお前ってだけの話だ。オルメテウス?お前の質問の答えはそれでいいか?」
ラグアのその答えに鬼情は絶句する…
ラピロアの答えは力を求め続けるアラウザルゴッドの本能からくるもの…
アゼルメーテの答えは頂点を目指す向上心からくるものだった。
だが、白天のその答えは最高神である鬼情の感覚からしても根本から異常だった。
だが、オルメテウスはそんな異常とも言えるその答えに表情ひとつ変えずに言う。
「そうか。喜鬼…いやティナからある程度は聞いてるかも知れないが、私の目的は知っているだろう?白天、ここ2万年弱のお前の行動理念から見るにお前は配下…つまり味方に対しては慈悲をかけると見ている。だからこそダメ元だが一応聞く。私の考えに共感するつもりはないか?」
オルメテウスのその言葉に俺は笑う。
「くくくっ、共感?確かみんなが笑顔の世界だっけか?冗談じゃねーよ?そんな世界じゃ俺が笑顔になれねーじゃねーかよ?そんなものは俺の作りたい世界じゃない。俺の作りたい世界はそうだな…俺と俺を認めてくれるヤツらだけが笑顔になる、それ以外の屍の上に作る理想郷だ」
オルメテウスはその俺の言葉にため息を吐く。
平和交渉は決裂だな?
まあ、全幅の信頼をおいているエリス以外のアラウザルゴッドはいつ寝首をかかれるかわかんねーから、恒久的な味方になんかするつもりはさらさらねーけどな?
ミーラル程度なら逆立ちしても脅威にはならないから、いずれ機会があったら俺の配下にしてもいいが、オルメテウスは論外だ。
主成分がチートで構成されてるみたいなラピロアに次ぐ古参のアラウザルゴッド…
こんな危険人物を生かしておくつもりは毛頭ない。
「話は終わりだな?じゃーお互いの理想郷を現実にする為に殺り合おうじゃねーか?覚醒っ!!領域纏い、概念、不滅」
俺は更にそれと同時に千手観音モードを展開する。
「そうだな。残念ながら私達の考えは決して交わる事はないようだ。争いは好きではないが降り掛かる火の粉は払わせてもらおう。覚醒っ!!」
オルメテウスも戦闘態勢を整える。
「なら私はこちらの方ですね?はじめまして、私はエリローズと申します。もし今後も会う機会があったらお見知りおきを?」
「白天の犬に名乗る名前などないっ!!」
こうして俺とオルメテウス…
そしてエリローズと鬼情の戦いがはじまろうとしていた。




