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第760話偽りの神帝ティナ・ポロワ4


オルメテウスが覚醒神として目覚めてから約1京年…


ティナは人生で…いやもはや神生と言ってもいいのかも知れないが、二度目の敗北を迎えようとしていた。

理由は目の前の化け物である…


「退け。貴様如きの矮小な存在に用はない。その分不相応な神格エネルギーは偽りの神帝と呼ばれるだけの事はあり称賛に値する。だが、アラウザルゴッドとしての進化の道が示された我と誰よりも先に帝の神々として君臨しながら、未だに覚醒の兆しが見えない貴様とでは元々勝負になどなるはずはない…。諦めてオルメテウスを出すがよい」


整った顔立ちの無表情な金髪の女は一見すると人形のようなイメージを受ける…

孤高のアゼルメーテ…それは覚醒神になってからの名前だ。

元は孤帝のアゼルメーテ…そう呼ばれていた…

単独行動を好み、単騎で宇宙に殴り込んでは会話の余地すらないまま皆殺しにする…

彼女が恐れられた理由だ…


「…珍しく喋るんだね?もしかしてティナちゃんは一筋縄では勝てないと思ったのかな?」


ティナは言った。


口調は余裕ぶってはいるがティナは満身創痍である。

その顔に斜めに刻み込まれた深い傷はアゼルメーテの凶悪な一撃を間一髪で致命傷を避けた時につけられたものだ。

そのダメージは決して軽くはない。

すぐにでも黄泉の神によるゴッドバーストで神格エネルギーのリセットを試みたいが、万全の状態ならまだしもここまでダメージを受けて神格エネルギー差が開いた今では、ゴッドバーストの発動よりもアゼルメーテが自分を殺す方が早いだろう。


これがアラウザルゴッド…

ティナちゃんが届かなかった存在…

やはりまだ…

でもオルメスだけでも逃さなきゃ…


ティナがそんな事を思っていた時だ。


「真覚」


「っ!?」


突如、ティナの背後からオルメテウスが現れアゼルメーテに強烈な一撃を加える。

アゼルメーテは咄嗟に反応してなんとかそれを防ぐ…


真覚…


それはアラウザルゴッドの能力である覚醒の先にある二段階目の覚醒…


ティナは神格エネルギーを集める事により、絶大な力を得るに至ったがオルメテウスはその長い長い時を自らの能力を研ぎ澄ます事に費やした。

それこそまだまだ程遠いが、三段階目の覚醒も存在することは朧気ながらわかっていた。


神格エネルギーで侮るなかれ…何故ならその技は覚醒神の中でも最高峰の高みにあるのだから…

オルメテウスが眠鬼と呼ばれる由縁である。


アゼルメーテとオルメテウスの戦いは互いに決まり手がなく、決着はつかなかった。

最後にはこれ以上やっても無駄と判断したアゼルメーテは撤退していった。


この時ティナは思う。

オルメスを守れなかったどころか、守るはずのオルメスに助けられて何がアラウザルゴッドだ?

なれないはずだ。

友1人守れないからいつまでも偽物から変わらないんじゃないのか?


屈辱…

アゼルメーテもラピロアも必ず殺す…

誰よりも優しいオルメスにひどい事をするふざけたイナゴ共を絶対に許さない。

ティナは誓った。


ティナはアゼルメーテによってつけられた顔の傷をあえて残した。

この屈辱を忘れない為に…

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