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第756話白天VS喜鬼5


強い…感じる神格エネルギーは核玉の換算で116…

対する俺の今の総神格エネルギーは194だが、決して油断できる相手ではない。


「白天?本当にやってくれたね?喜鬼ちゃん…いやティナちゃんが本気になるなんて何京年ぶりかな?白天、ちょっと昔話を聞かせてあげるよ?」


そのティナの言葉と同時に、俺の中に一瞬で強制的にティナの思念が流れ込んでくる…



喜鬼ことティナ・ポロワは生まれながらの神ではなかった…

ティナが生まれたのは、今から数十京年も昔の事だ。

原初の宇宙から数えて6番目の宇宙…

もっともそれをティナが知るのは相当後になっての事だが、ティナはそこに人間として生まれた。


ティナは生まれながらに病弱だった。

当時ティナが生まれた惑星は科学と魔法の技術が相当発達していたが、それでもティナの病を治すには至らなかった。

それはティナが治した側からすぐに別の病にかかるからである…

ティナは生まれつき体が弱すぎたのだ。

ティナは産まれてからの人生のほとんどを病室で過ごした…


そんなティナが自らの死期を悟ったのは、ティナが18歳の時だ。

ティナは当時、重い病に侵されていた。


やだ…死にたくない…まだ一度も人生で楽しいなんて感じたことはない…こんな人生いやだ…こんなところで終わりたくない…


だが、ティナの願いは届かない。

その頃にはティナの家族もティナを見放し、誰も見舞いになどこなくなっていた。


ティナは誰にも看取られることなく孤独死することになる…




それから数年…

奇跡…そう言えば聞こえはいいが、ティナは唐突に目覚めることになる。

ゾンビ…それは低級なアンデット…

ティナの強い想い…いやもはや怨念がティナを蘇らせたのだ…

生前の記憶、そして人格がそのままだったのはやはり奇跡と言ってもいいかもしれないが…


さらにティナはゾンビとして生まれ変わった時にとある固有スキルに目覚めていた。


固有スキル、遊び心


本来、手の平サイズの遊び道具を生み出す程度の使い道のない固有スキルだったが、生まれてからほとんど外に出ていないティナにとってはこの世のほとんどが遊び道具と同義だった。

手の平サイズという制限こそあれど、ティナの固有スキルは化けた。


苦しくない…体は腐ってるけど痛みもない…何より自由に動ける…


生まれ変わったティナは自分が安置されていた墓地から走り出した。


それは本来、脳の処理能力が低下したゾンビの緩慢な動きではなかったが、ティナは知らない。


神出鬼没に現れては、戦場を遊び半分でめちゃくちゃにするティナが虐殺遊戯の異名で呼ばれはじめるのは、それから僅か数年のことだ。

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