第753話白天VS喜鬼2
「ちっ」
「ぐっ…さすがに押し負けるか…」
俺の触手と喜鬼の拳がぶつかり合った結果は見ての通りだ。
なら競り勝ったにも関わらずに何故俺は舌打ちをしたのか…
それは僅か…(通常の戦いでは僅かとは言えない量だが)しか神格エネルギーが奪えなかったからだ。
殺す気で放った俺の触手の威力は大半が受け流されてしまったのだ。
「白天?距離をとったからって油断してない?概念、天刃、空間」
「反射」
俺は喜鬼の間合い無視の神格エネルギーがこもった天刃の嵐をアラウザルゴッドの能力、反射で全て逆方向に弾き飛ばす。
喜鬼の天刃は空間の概念により、不規則な転移を繰り返しながら再び俺を狙うが何度やっても弾き飛ばされる。
「ほんとイナゴってヤツはふざけた力だよね…なら直接いくしかないか…領域纏い、概念、遊戯」
その瞬間、喜鬼は全身に虹色の光を纏う…
「…それも使えるとか、てめえはなんでもありかよっ!!概念融合、炎舞!!」
俺の全てを燃やし尽くす炎と喜鬼の領域纏いはぶつかり合う…
だが拮抗したのはほんの一瞬だ。
すぐに俺の炎舞が打ち勝ち、喜鬼を燃やし尽くさんと猛威を奮うが…
「領域覚醒っ!!」
喜鬼がそう言った瞬間、何故か俺の炎舞が花火に変わり、喜鬼の頭上に打ち上げられる…
「たー◯やー…だっけ?地球じゃこう言うんだよね?」
かー◯やーって返せってか?
クソッ…ふざけてる場合じゃねー…
冗談抜きで喜鬼はコレートルより遥かに強い…
「あれ?無視はつらいなー。喜鬼ちゃん泣いちゃうよ?」
「黙れ化け物がっ!!概念融合、消滅っ!!」
「領域覚醒っ!!」
俺の概念融合の消滅の概念は、その瞬間消しゴムに変わるが、それは想定内だ。
本命は…
「ぐっ…なんで!?」
核玉の予備動作一切無しに発動した、消滅の概念の方だ。
先に放たれた概念と合わさり1.5倍となったことにより、喜鬼は堪らず片腕を消滅させる…
「ゴッド…」
「おせーよ」
「ぐぎゃっ!?…バーストっ!!」
やはりかなりの威力を受け流されたが、今度はしっかり手応えがあった。
核玉単位で3…だいたいかつての俺ぐらいの神格エネルギーを奪った。
「概念融合、神滅」
俺は喜鬼が放ったゴッドバーストの嵐を散らす。
俺は追撃を仕掛けようとするが…
「領域纏い、概念、遊戯、隠れ鬼」
一瞬で喜鬼の姿が消える…
神格エネルギーの反応を見るとかなり遠くまで逃げられたようだ。
「クソッ…わけわかんねー技ばっかり使いやがって…」
俺はそう毒づきながら喜鬼の神格エネルギーに向かって転移するのだった。




