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第745話覚醒神たちの大戦7


キャリーメル達は警戒しながら後退をはじめる…

だが、それはほんの一瞬の出来事だった。


「ぐっ…」


「ぐはっ…」


キャリーメルの背後でくぐもった悲鳴が聞こえる。

同時にキャリーメル達を強化していたバフの一部が途切れる。

キャリーメルは何が起きたのかを理解した。


「加減が難しいわー。まあなんとか死ななかったし、ギリギリ大丈夫ですかね?」


喜面は言った。


キャリーメルは後ろの同胞の神格エネルギーを探る…

なんとか生きてはいる…

だが、神格エネルギーの減少のしかたは酷いものだった。

彼らの神格エネルギーは中級神クラスにまで落ちていた…

簡単に言えば瀕死…そうでなくても戦力外は確実である。


「さて、残りの方々もこうなりたくなかったらお帰り…ん?」


そこまで言いかけた喜面の言葉が途中で止まる。

何故ならこの場に転移の気配がしたからだ。

だが、喜面に警戒の色はない。

それは見知った気配だった。


「怒面、哀面、何をしにきたのですか?援軍はいいけどあなた方の出番はたぶんないですよー?」


気の抜けた調子でそう言った喜面に、鬼怒と同様の般若の面を被った存在…怒面は緊迫した様子で答える。


「喜面!!状況が変わったんだよっ!!白天とその本隊が動いた。おそらくここも時期に襲撃がくる!!」


「それは…!?っ」


その時だ。

それが転移してきたのは…


「おやー?どうやらここはハズレの様ですね?ラグア様達はさっさと先に行ってしまいましたし、ここはゴミばかり…。すぐに片付けて合流しますか」


その女を見た瞬間、喜面達は警戒を最大まであげた。

アレはやばい…


そんな喜面達をよそに一瞬遅れて更に2つの存在が転移してくる。

その片方…

青い髪の少女は口を開く。


「そうだね、エリローズ。師匠がどーしても三人で行けって言うからそうしたけど、絶対こんなにいらないよね?てかこの程度のゴミはあたし1人いれば十分だよね?」


「おや?気が合いますね?ですがさすがになにもしないのは暇なので、1人もらっても…」


乱入してきた2人…エリローズとミグのそんな会話を最後の1人が遮る。


「はいはい。2人ともそんなナメきった会話は終わり。まあさっさと片付けてパパに合流するのは賛成だけどね?」


最後の1人はリーゼだった。


イグロシアル最高戦力の中で事実上最強のエリローズ…

万が一の事態を考慮して黄泉の神が使えるミグ…

この2人がいれば不足の事態が起ころうとラグア達が救援に来るまでの時間稼ぎ程度はできると判断して、ラグアは単独行動をさせたのだ。


なら何故リーゼがいるのか?

それは不足の事態に対するこの2人の判断能力には不安しかなかったからだ。

言うなればリーゼは保護者である。


こうして喜面達はエリローズ、ミグ、リーゼと向かい合うことになる。


喜面達にとっては絶望がはじまろうとしていた。

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