第743話覚醒神たちの大戦5
白神柱…その10体の者たちはその存在が転移してきた位置を囲むように位置どる。
その中でも四隅に位置どる4体…
キャリーメルやセスをはじめとする彼らの存在感は、他の白神柱とは群を抜いていた。
ここまでがイグロシアル最高戦力下位勢クラスである…
逆にそんな彼らに出会い頭に包囲されている喜面…
こちらは喜鬼と同様の邪悪なピエロの面を被っており、その表情は窺い知ることができない。
喜面は口を開く。
「熱烈なお出迎え感謝しますわー。遠い宇宙より遥々ようこそ…。ワテは喜面って言いますわー。でもこの先は今は通行止めなんですわー?そのままお引き取りするか、観光はここまでにしていただけます?」
明らかにふざけた態度…
側から見ればそう見えるが、これは喜面の素だった。
無論キャリーメルにはそんな事は関係ない。
「たたみかけるぞ?白神柱序列5位までの者は下位の者を指揮しろ」
「「はっ」」
キャリーメルのその言葉に即座に返事したのが2名…
白神柱の4…ネービル…
そして白神柱の5…ティガである。
「くだらん…」
セスはキャリーメルの命令など完全に無視して、包囲網を狭める。
「ちっ…全員包囲網を狭めろ」
キャリーメルは舌打ちをした後、そう命令を下した。
キャリーメルの命令を無視したとはいえ、セスは1人で突出するようなバカではない。
そんなバカだったら大した神格エネルギーもないにも関わらず、元神柱時代にキャリーメルのすぐ下の序列に居座れるはずがない。
もし彼がそのような者だったらそれこそ彼は何兆年も前にこの世から消えているだろう…
包囲網が狭まる…
そんな普通なら絶望的とも言える状況の中、喜面がしたのはため息をつくというものだった。
「はあ…やっぱりやらなきゃダメですかー?ワテは負けるかもしれない戦いはしたくないんですけどねー?」
言葉とは裏腹に喜面から凶悪とも言えるほどの神格エネルギーが溢れ出す。
その神格エネルギーはイグロシアル最高戦力上位勢には及ばないが、中位勢のキャリーメルをも凌ぐ…
「序列6位から下は包囲網を維持しろ」
「それからバフ系の概念持ちは俺達4人にかけろ」
ネービルとティガはそれぞれ自分より序列が下の白神柱に対し、そう指示を飛ばす。
「白天様のご命令だ。完膚無きまでに叩き潰してくれる。ネービル、ティガ、補助は任せたぞ?」
言いながらキャリーメルは喜面に迫る。
「…こりゃやらなきゃダメみたいですねー。テンション上がりませんわー」
こうして白神柱と喜面による、やる気の温度差の激しい戦いがスタートした。




