第737話大戦の前兆3
その後、適当な雑談をした後…
ラピロアはあの爆弾発言を切り出した。
「さて、じゃーお互い親交も深まったことだし、やろっか?」
その瞬間、ラピロアの神格エネルギーが消滅する。
本体とデバフをかけまくった分体を入れ替えたのだろう…
つまり第一形態だ。
「え?いや…そんな…」
第一形態とはいえ、ミーラルはラピロアから放たれる殺気がわかったらしい。
そりゃそうだ。
俺もこれの説明を聞く前は普通に拒否ったからな?
だが、それ以前に…
「おいっ!!ラピロア様っ!!俺の拠点で何する気だ!?」
「あ…ごめん。忘れてた…」
その瞬間、ラピロアの神格エネルギーは戻り、殺気は消滅する。
第三形態に戻ったようだ。
「アレをここでやったらヤバイだろ?せめて場所を移せよ?てか今からオルメテウスと構えるっていうのに、今そんな事するんじゃねーよ!!」
だからお前は配下に舐められるんだよ…とここまで出かかった言葉は俺はさすがに飲み込んだ。
「なんかラグアが失礼なことを考えてる気がするけど、何故かボクの読心が弾かれたよ?感じる神格エネルギーはコレートルを殺した時より、ちょっと増えたら程度なのにね?もしかしてラグア…」
やべー核玉がラピロアにバレたっぽい…
ラピロアがどう反応するかは読めないが…
この場でぶっ殺されることは………たぶんないよな?
「まあとりあえずはラグアが持ってるならいいか…ラグアが1つ…アゼルメーテが1つ…ボクも1つ…最後の1つは未だ所在不明か…」
だが、ラピロアは俺の予想の斜め上をいき、そんな事をぶつぶつと呟きはじめた。
確か核玉って始まりの神帝ルービスメゾルの4つにわかれた魂の残骸の1つだったか?
「なあ、ラピロア様…」
俺が核玉について聞きかけた時、ラピロアから恐ろしい殺気が放たれる。
それは核玉の単位で神格エネルギーが90程度の第三形態が放てるレベルの殺気ではなかった。
ミーラルに至ってはその殺気に当てられて気絶してしまった。
「ラグア…読心が使えなくても、何が言いたいかだいたいわかったけど、まだラグアにその話はしたくないかな?そうだね…ラグアがボクの第六形態を抜けた日には教えてあげる。それまでは思い出は綺麗なままにしといてくれないかな?」
俺はこの瞬間、核玉の正体はラピロアの親父である事を確信した。
パンッ
ラピロアが手を叩く。
「さあ、この話は終わりだよ。じゃー気を取り直して作戦会議でもしようか?」
殺気は鳴りを潜め、ラピロアはいつもの調子でそう言ったのだった。




