第733話各陣営の動き…
〜とあるオルメテウス支配下の宇宙〜
そこには邪悪なピエロ…そして般若の面を被った存在が会話をしていた。
「ぷぷっ、白天も何をやるかと思えば面白い事するじゃん?まあ、そんなお粗末な策は逆に逆手にとって嵌めてあげるけどね?鬼怒、アゼルメーテ達の返答は?」
「…全面的に協力するそうだ。だが、よいのか?今回オルメテウス様からワシらはなんの命令も受けてはいない。喜鬼、今回の白天の狙いを放っておいては被害が出るから協力はしたが…」
「それでいいんだよ。オルメスは優しすぎる。なら喜鬼ちゃん達が汚れ役になって守ってあげなきゃダメだよ」
喜鬼は鬼怒に明るい調子でそう言った。
「しかし、何故ワシらではなく、ワシとお前の四面将を出した?ヤツらでは白天の息がかかっているだけの雑魚ならともかく、白天の側近達には敵うまい」
白天の息がかかっているだけの雑魚…
それはラグアの形式上だけの同盟勢力のことだ。
さらには白天の側近…
それはイグロシアル最高戦力上位勢のことだ。
そして四面将…
それは四情四鬼…それぞれ喜怒哀楽を司るオルメテウスの側近中の側近である喜鬼達が一体ずつ持っているNo.2の副官のことだ。
喜鬼はそんな四面将に自らの面と同じものを被せてラグアの同盟勢力に向けて解き放ったのだ。
「それでいいんだよ。白天の側近となんか勝負する気はさらさらない。要は白天達に喜鬼ちゃんと鬼怒が動いたって思わさればいいんだゃ。で?実際にそれに怒って攻めてくる白天…それを待ち構える喜鬼ちゃん達四情四鬼…そして同時進行で息のかかった雑魚の宇宙には、被害が出続ける。これで誰が見ても大義はオルメスにある。ありもしない因縁を吹っかけてきた白天を、さっき協力要請したアゼルメーテ達といっしょに叩く。これならイナゴの王は出張ってこないだろうし、確実に勝てる」
「喜鬼…お前よくそのような策を…」
鬼怒が最後まで言葉を言わないうちに喜鬼は笑いだす。
「ぷぷっ、喜鬼ちゃんは小狡いんだよ?なんでかって?喜鬼ちゃんは弱いからね?イナゴの王みたいな絶対的な力がない喜鬼ちゃんは小狡く生きるしか生き残る道はなかった。まあ、オリジンゴッドらしくないって言ったらそれまでなんだけどね?」
喜鬼は自重気味にそう言った。
さあ後は白天が乗るか反るかだ。
例え乗ってこなかったとしても、なんらかの動きは見せるはず…
攻めてきたら返り討ち…
そして攻め込まれない限りはこちらには被害はない。
喜鬼はそんな事を思うのだった。




