第716話赤の覚醒2
俺は新たなアラウザルゴッドが発生したという宇宙に転移する。
「おおお前らホントになんなんよっ!?わわっちになんか恨みでもあるんかいっ!!」
うん…転移した瞬間に聞こえてきた声がたぶん新しいアラウザルゴッドだろう…
姉ちゃん達の神格エネルギーに気圧されて声は震えているが、何故か花魁口調…
またキャラの濃いアラウザルゴッドだな…
いやむしろキャラが濃いからアラウザルゴッドになるのか?
俺はそんな事を思う。
新しいアラウザルゴッド一味は全部で5…
けど神格エネルギー差は歴然だ。
他の連中はアラウザルゴッドの配下だろうが、皆揃って圧倒的な神格エネルギー差を感じているのか動けずにいる。
姉ちゃん達の神格エネルギーは約1万6千年前から上がってないが、それでも成り立てのアラウザルゴッドのゴミみたいな神格エネルギーごときに負けるはずがない。
「概…!?っ」
そう言いかけたアラウザルゴッドの首筋に姉ちゃんの手刀が触れる。
とてもじゃないが、なりたてのアイツには目で追えるスピードじゃない。
「概念融合なんか使わせないわよ。あんたが一回それを使おうとするたびにあたし達は100回あんたを殺せるの。わかった?」
ただの理不尽である…
まあその理不尽共をまとめてる俺が言うのも変な話だが…
「ラグア様、おはようございます」
「マスター、おはようございます」
そんな中、俺の到着に真っ先に気づいたエリスとリムリットがその場に跪く。
「師匠久しぶり。起きてたんだー?」
「あら?鋭治、おはよう」
少し遅れて俺に気づいたミグと姉ちゃんも言った。
主要メンバーには約1万6千年というそこそこ長い時間の中でも、千年に一度は会っている。
まあそれでも400年ぶりなんだがな…
「さっきリーゼにも聞いたが、俺が寝る前と特に変わりはねーよな?」
「ないわよ。変わったことといえばそうね…前に全部鋭治にもさわりぐらいは話したけど、神級以外は多少のパワーアップを果たしたのと、私達イグロシアル最高戦力上位勢にそれぞれ、リムリット神衛団ほどの数や質じゃないけど神衛団ができたことと、クソ兄貴が…いやいいわ。これは見た方が早いし…」
俺と姉ちゃんがそんな話をしている中、1人驚愕の表情を浮かべている者がいた。
件のアラウザルゴッドである。
「寝てた!?起きた!?…って事はこの化け物共は白天勢力!?」
件のアラウザルゴッド…
黒髪に妖艶な雰囲気を醸し出すアラウザルゴッドは言ったのだった。




