第714話神眠の影響2
ラグアが神眠を発動してからしばらく…
〜アゼルメーテの本拠地〜
「アゼルメーテ、次はどこ?遊んでる時間はないよ。ラグアを倒す為に一刻も早く強くなるんだからさ?」
アラウザルゴッドの最新鋭…蒼天ミグ・ヒピーは無表情で神の千里眼を発動させているアゼルメーテを急かすようにそう言った。
「少し待て。ここもダメか…次だ…」
いつも通りの無表情なアゼルメーテだが、ミグはアゼルメーテが神の千里眼で見ている景色に何かあると気づいた。
それがわかる程度にはミグとアゼルメーテの付き合いは長い…
「ダメって何?ねえ?何が見えてるの?」
ミグは言いながらアゼルメーテと意識を共有する。
「プロトクローン…ラグアの下っ端中の下っ端か…。つまりはこの宇宙にはラグアの息がかかっているってことか。え?次も?アゼルメーテ?これどうゆうこと?」
ミグは神の千里眼に映し出される次の宇宙の最高神の傍らにもプロトクローンが存在している状況に目を丸くした。
「どうやらラグアは無差別に同盟を結んでプロトクローンとか言ったか?それを置いて更に次々と同盟を結んでいるようだ。目的はおそらく…」
アゼルメーテはミグではなくミグの隣にいるミュラに視線を送る。
「同盟勢力に仕掛けたアラウザルゴッド勢力を叩き潰す為…それもラグアだけではなく、ラピロアやエルミナも巻き込んでの総力戦が狙いだと思います」
「そうだミュラ。今見た宇宙には絶対に仕掛けてはならん。そんな事をすればラグア…ひいてはラピロアにこちらを叩く口実を与えてしまうことになる」
「え?じゃーどこを攻めるのさ?」
ミグはアゼルメーテにそう聞いた。
「待て。今、我が探す。同盟を結んでるとはいえ、そう簡単に全宇宙など結べるものではない。しばらくすれば見つかるだろう」
「うん…」
ミグはどこか釈然としない感情を抱きながらも言葉には出せずにそう頷いた。
〜
約10分後…
アゼルメーテはまだラグアと同盟を結んでいない宇宙を見つける。
「いくぞ?ぐずぐずしていればすぐにラグアの息がかかる」
アゼルメーテのその言葉でミグ達は神格エネルギーをかき集める為に転移を開始する。
だが、この事態はただの予兆に過ぎなかった。
ミグ達はこの日を境にどんどん侵攻できる宇宙を見つけ出すのが困難になるのだった。




