第713話神眠の影響
〜ラピロアの本拠地〜
ラグアが眠りについてから約2300年後…
『おい、ラピロア様?久々にラグアに連絡したが連絡がとれねーぞ?どういうことだ?これ?』
いつもの様に玉座で暇を持て余していたラピロアはエルミナからの神通に意識を割く。
『ん?エルミナか。ボクもやってみるよ』
ラピロアはラグアに向け神通を繋ぐ。
ラグアからの応答はない。
けどこの波動には見覚えがある。
ラピロアはエルミナに向け神通を返す。
『エルミナ…。ラグアは寝てるみたいだよ?』
そう言った瞬間、神通ごしだがエルミナの表情が驚愕に変わるのがわかった。
『はっ!?神眠かよっ!?あのラグアがか?冗談だろ?』
エルミナが驚くのも無理はない。
今までアラウザルゴッドの中でまともに神眠を使ったのは侵略を嫌うオルメテウスのみ…
間違ってもあの好戦的な性格のラグアがそんなことをするとは思えなかった。
『まあ、ラグアにも考えがあるんじゃないの?その証拠に千年に一回ぐらいは自分で起きてるみたいだし…ラグアの配下達は忙しなく動いているし…』
『何言ってやがる?ラグアの配下達がやってるのは、そこら中の宇宙に同盟を持ちかけてるだけだろうがっ!!ここ最近まともに侵攻もしてねーぞ?』
『まあラグアにも何か考えがあるんだろうけど、ボクには分からないね。おそらくラグアの参謀2人のどっちかの入れ知恵なんだろうけど?』
ラピロアはかつてあったラグアの参謀…リオーナとリーゼを思い浮かべる。
『オレにはわかんねーよ。アイツは牙が抜けちまったのか?今からラグアを叩き起こして直接聞いてくる』
エルミナはそう言って神通を遮断しようとするが、それにラピロアは待ったをかける。
『まあ待ちなよ。確かに行動の理念は理解不能だけど、ラグアもあの参謀2人も少なくとも前にあった時はエルミナが言うような牙が抜けたような連中ではなかった。あの参謀2人はなかなか狡猾だよ?』
ラピロアのその言葉にエルミナはラグアの拠点宇宙に神の千里眼を巡らせてみる。
しばらくして…
『あれなんだよ?ゴッズウェポンぶっ壊してあんなもん作るとかアイツは何考えてんだよ…いや、使い道はわかるが効率が悪すぎるだろ…普通に侵攻した方がよっぽど…』
『はははっ、エルミナも気づいたみたいだね?ね?牙が抜けた訳じゃないみたいでしょ?次にラグアが動く時がいつか待ってみる気になった?ボクとしては可愛い配下の作戦の邪魔はあんまりしたくないんだけどなー?』
『ちっ…ラピロア様がそこまで言うならわかったよ。あの野郎…わけのわかんねー動きしやがって…動き出したら問いただしてやる』
『いや、話聞いてた?だからそっとしてあげようって?』
ラピロアはそう言ってエルミナを嗜めるのだった。




