第712話参謀会議2
最高神との同盟にあたり、こちらが差し出すのは互いの不可侵条約といざという時の後ろ盾…
逆に向こうに求めるのは最高神1人につき、50体の下級神の租借とその最高神の宇宙内の自由行動…
言葉通りならはっきり言って破格の条件である。
もちろん言葉通りなら…
まあ、そんな慈善事業みたいなことをリーゼがするわけがないのは百も承知だ。
リーゼの狙いは大きく分けて2つだ。
まず一つ目…こちらが差し出す条件…アラウザルゴッド白天…つまりは俺の後ろ盾である。
万が一、その宇宙がオルメテウスやミグ…そしてアゼルメーテ等の侵略を受けた場合、俺は同盟相手を救う為に出撃するという大義名分ができる。
俺の同盟相手が襲われた…つまりは向こうから弓を引いてきたのだからラピロアやエルミナに協力を仰ぐことも可能だ。
むしろやってくれるならこちらはラピロアっていう怖ーいケツモチを出して潰しにいけるので願ったり叶ったりだ。
まあ、さすがにそれは他のアラウザルゴッドでも予想はつくだろうから仕掛けてはこないだろうがな…
でもそれだけでも他のアラウザルゴッド連中も思うように神格エネルギーをあげられなくなるし牽制にはなる。
一つ目はこれだけで上出来だろう。
そして二つ目…本命はこっちだ。
新たに誕生したアラウザルゴッドを他のどのアラウザルゴッドよりも早く保護する。
「ちなみにリーゼ?次の赤の覚醒はいつだと予想する?」
「早ければ千年以内だけど遅ければ気の遠くなるような時間がかかるから、予想はきついかな?パパは神眠を手に入れたならしばらく寝てた方がいいかも?たぶんこれから得られる神格エネルギーより神眠で得られる神格エネルギーの方が全然上だよ?神眠はたしか百年で1%だったっけ?パパぐらいの神格エネルギーになればそこそこ期待できる。それにパパ?退屈は嫌いでしょ?」
そう。
アラウザルゴッドになるには正確にはわからないが、何か条件がある。
リーゼの仮説では現状のアラウザルゴッド…俺やミグは比較的新しいアラウザルゴッドだから除外するが、それ以外の古参のアラウザルゴッドの配下達…それこそ数兆年ではきかないレベルで宇宙に君臨するオリジンゴッド達はアラウザルゴッドになることが不可能であると判断した。
そして古参のアラウザルゴッド達の配下が下から上がってくる連中の頭を押さえ付けている現状の宇宙では新たなアラウザルゴッドは発生しないと踏んだ。
無論これは俺も人事ではない。
俺の陣営も今のイグロシアル最高戦力…もしくは飛び抜けたヤツが上に上がってきてアラウザルゴッドにならない限り、いずれは他の古参アラウザルゴッドと同じ状態になるだろう。
新たなアラウザルゴッドが発生するなら俺かミグの陣営…もしくはどこにも属していない宇宙…
そしてどこにも属していない宇宙に監視の目と捜索の手をばらまくのが今回のリーゼの作戦の根幹だ。
「わかった。作戦を実行に移す。俺は寝るからリムリット神衛団の創造はストップするが問題はないな?」
「うん、どうしても足りなきゃパパ程の数は作れないけどリーゼ達…イグロシアル最高戦力上位勢でもなんとかなるから大丈夫だよ。だからパパは安心して新たな時代の幕開けまで寝てていいよ?パパが次に起きた時がパパの覇道の幕開けだよ」
「だが何かあったら起こせよ?一応千年に一回ぐらいは進行状況の確認に自分で起きるつもりだが…姉ちゃんは兄ちゃんに会うなよ?」
「うん」
「わかったわよ…。あ、リーゼちゃんあたしもリーゼちゃんの作戦に同時進行で一個思いついたわ」
「姉ちゃんの策なら心配はねーか。じゃー任せたぞ?」
こうして俺は神眠を発動させて深い眠りにつくのだった。




