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第702話急展開3


〜鷹宮組、事務所〜


「…リーゼ?どう思う?」


俺はオルメテウス達が帰った後、リーゼに向かって言った。


「ヤバいね…何をしたのかは知らないけど誰にも読心を使えなかった。パパは?」


「俺も同じだ。お前のアレの方だとどうだ?」


俺が言うアレとはもちろんリーゼや姉ちゃんが持っている他者の感情を読む力である。


「そっちは問題なく使えたよ。ただ読心と併用できなかったから正確に何をしたのかまではわからなかったけど、アレをやったのは間違いなく喜鬼とかいうヤツだよ」


俺はリーゼのその言葉に目を見開く。


「あのピエロが!?オルメテウスじゃなくてか?」


「うん、それは絶対に間違いないよパパ。他の連中の感情の起伏に比べて喜鬼の感情の起伏はあまりにも薄かった。それ以外にも感情の動きから喜鬼がやったってのはリーゼにはわかるよ。けどまあそれは、リオ姉とか同じ力を持ってる人ならわかるけどそれ以外の人には説明してもわかってもらえないと思うけど…」


どうやらリーゼと姉ちゃんにしかわからない着眼点があるみたいだが、それは俺にはわからないしわかるわけがない。


「ああ、そこはわかった。リーゼ…。これは俺の意見だが…」


「待ってパパ。たぶんリーゼも同じ意見だよ。だからリーゼに言わせて?」


リーゼは俺にそう言ってから一度言葉を切る。


「オルメテウスを潰すのはもう少し後の方がよさそう。このまま無策で仕掛けるのはさすがに危険だよ」


「そうだな。お前なら次の策も考えてあるんだろ?」


「まーね?そこら辺はまずリオ姉と煮詰めてからだね。とりあえずパパはまずそれを自分の力に変える事に専念して?神格エネルギー差はひっくり返る…かは微妙だけど少なくともある程度は埋まるはずだよ」


リーゼは俺の手にある4つのビー玉…コレートル達を示しながらそう言ったのだった。




〜1時間後〜


「いよいよイグロシアルか。なあ鋭治?もちろん俺も連れてくんだよな?」


「連れてくは連れてくが、もう一回釘を刺すぞ?姉ちゃんと揉めるんじゃねーぞ?」


俺のその言葉に兄ちゃんは笑いだす。


「わかってるわ。つーか、そのこれから行くイグロシアルってとこにいる莉緒那もお前と同様に成長したんだろ?揉めて負けるのは俺だぜ?」


若干の不安は残るがこれ以上はいいか。

そうこうしているうちにイグロシアルに帰るメンバーが集まってきた。


ん?

来る時にはいなかったメンバー…

いや、見慣れないヤツではないが…


「なんでお前らがいる?」


俺は鷹宮組…ヤクザの事務所で借りてきた猫みたいになっている可蓮と涼香に向かって言ったのだった。

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