第695話コレートル追撃戦(in地球)48
「それでとりあえず探す方法だが…俺の個人的な意見だと兄ちゃんと姉ちゃんは別々に行動した方がいいと思うがどうだ?」
「あ?なんでだ?」
「その方がいいわね」
ここでも兄ちゃんと姉ちゃんの意見は真っ二つにわかれた。
2人が言い争いになる前に俺は口を挟む。
「さっき俺の目の前で争ってたのはどこのどいつだよ?兄ちゃん、どう考えても別々にやった方が効率がいいだろ?」
「いや家族は助けあうもんだぜ?なら…」
「助けあいの形は人それぞれだ。いっしょに行動しない方がかえってうまくいく家族もいる。顔合わせば喧嘩ばっかの兄ちゃんと姉ちゃんみたいにな?」
「鋭治?てめえ言うようになったな?昔は…」
「昔は俺に兄ちゃん達を止める力はなかった。だが、今は違う。目の前で2人が争うのを俺は許容するつもりはない。聞かないなら連れていくと言う話もなしだ。向こうでもうまくやれる訳がねーしな?」
俺のその言葉に兄ちゃんはしばらく無言になるが、言葉を捻り出す。
「…わかったよ。莉緒那とは別行動で成果を出す。これで満足だよな?」
兄ちゃんは若干不貞腐れながら言った。
「ああ、頼んだぞ?俺はたった2人の兄ちゃんと姉ちゃんにはできるだけ仲良くしてもらいたいんだ。わかってくれるか?」
「ああ」
兄ちゃんは今度は普通にそう答えた。
うん。
こうゆうリップサービスは本来姉ちゃんやリーゼの方が得意だが、姉ちゃんは兄ちゃん相手にはしても無駄とわかってからは一切しなくなったし、リーゼはこの家族会議に入るにはまだ関係が浅すぎる…というか今日はじめて会ったしな?
「姉ちゃんも頼んだぞ?」
「ええ」
その後はそれぞれ何かわかった事があったら連絡を入れるということで話は終わり、俺達は解散した。
〜
約1週間後…鷹宮組、事務所…
兄ちゃん達からの連絡はまだない。
俺は現在、リーゼの作った偽札で買ったパソコンを使ってネットサーフィン中である。
鷹宮達以外に今日いるのはリーゼのみである。
カティアとシュドレは外出中…
エリスにはわからない様にカティア達を護衛しろと言ってある。
適当にネットサーフィンをしていた俺は一つの記事に目を止める。
「なあ?リーゼ?これってあれだよな?」
「そうだね…」
場所はアメリカ…
記事の見出しは…
『超常現象!?それとも特撮か!?般若VS赤目玉!!』
そんなふざけたタイトルのゴシップ記事を見ながら俺は言ったのだった。




