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第687話コレートル追撃戦(in地球)40


兄弟喧嘩か…

うん…冗談ぬきで一回も勝った事ねーや…


兄ちゃんと喧嘩する事なんかほとんどなかったけど、覚えてる限りじゃ相手にすらならなかった。

さすがにとっくにに人間やめている今の俺なら勝てるだろうが、それは勝ったって言っていいのかははっきり言って微妙だ。


俺が止めに入った事からもわかるように地球なら兄ちゃんは概念抜きのリーゼよりも強い…

イグロシアル最高戦力であるリーゼ達は事実上の成り損ないのアラウザルゴッドだ。

ステータスだけならアラウザルゴッドに成り立ての俺のステータスを遥かに凌ぐ…


そんなリーゼと対等以上にやりあえる兄ちゃんは自分の兄ながら正真正銘の化け物である。


「やっぱ何年たっても兄ちゃんは変わんねーな?俺はちょっと兄ちゃんと姉ちゃんに頼みたい事があって来ただけなんだが?」


「奇遇だな?俺も莉緒那に用があって来たんだよ?」


兄ちゃんがそう言うと姉ちゃんはびくりと体を震わせて後ずさる。

そしてそのまま出口に向かって走る。


「ミオサン?」


意味のわかっていないフロゲニは姉ちゃんに問いかけるが、もし兄ちゃんを知っている人間なら…例えば前世の俺でも姉ちゃんと同じ選択をする。


兄ちゃんはスイッチが入ると周りの被害を一切考えない…

側にいれば大怪我で済めばいい方だ。

下手すりゃ巻き込まれて死ぬ…


「じゃあ?はじめるぜ?お互い生きてたらゆっくり話でもしようじゃねーか?」


その言葉と同時に兄ちゃんは猛スピードで俺に迫る、今度は飛び蹴りではない。

確か兄ちゃんは空中でも関節を外しながら体を捻る事により一回までなら起動を変えられる。

だが、縦横無尽に動き回れる地上よりは遥かに動きの幅は狭まる。

それは兄ちゃんが俺に対して全く油断していない事の証明だった。


俺はそんな兄ちゃんに対して正面から迎え討つ。


先に仕掛けたのは兄ちゃんだ。

二回程フェイントを入れた上で側面から蹴りこんでくる。


躱すか、受けるか…

よし、受けよう。

兄ちゃんの蹴りを俺は片手で受け止める。


俺の腕には衝撃が走る。

威力は全力のリーゼより少し劣るぐらいか?


俺は片手で受けた勢いのまま、兄ちゃんの蹴りを逆に弾き飛ばす。

蹴りを弾かれて兄ちゃんの態勢が崩れたところに俺は兄ちゃんの顎を狙って殴りかかる。


威力はかなり抑えた。

全力のリーゼ程度の力だ。

これぐらいじゃ死なないはずだ。


文句なしの直撃…

俺の右ストレートは兄ちゃんの顎に直撃した。

そう思った直後だ。


「ちっ!?」


先程とは比べものにならないスピードで俺の顎に兄ちゃんの蹴りが迫ってきたのは…

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