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第678話コレートル追撃戦(in地球)31


時はカティア達がまだ鷹宮の事務所にいた頃まで遡る。



〜関西とある場所〜


俺は龍君こと本郷龍二に会う時間潰しに、逆ナンされた2人組と共に街を歩いていた。


「お兄さんって名前なんて言うんですかー?」


俺は考える。

この場合三島鋭治と名乗るべきか、ラグア・エルライド・イグロシアルと名乗るべきか、はたまた別の偽名を使うべきか…

三島鋭治はさすがにやめたほうが良さそうだな…

32年経っているとはいえ、連続殺人鬼の名前はさすがにな…

別の偽名は…

まあ過去に使ったヤツはいっぱいあるが…

しかも一部は戸籍ごと買い取った本物だ。

いや、でもこの際外国人とかハーフって設定にしといた方が常識がないのはごまかせるか。


そう考えた末俺は…


「ああ、俺はラグア・エルライドって言うんだ。そっちは?」


ミドルネームの部分を切りとってにこやかにそう名乗った。

イグロシアルでは完全な独裁者だが、俺は案外社交的に振る舞える。

国際指名手配になる前は友達もそこそこいたし、そもそもコレートルを見つける前にあんまり目立ちたくないからこの振る舞いでいいはずだ。


「外国人の方なんですね?日本語上手いですね。どこの国から来たんですか?あ、私は可蓮って言います。こっちは涼香です」


俺の言葉に可蓮と名乗った女はそう答えた。


「あー、俺は親父が日本人だからな?母ちゃんはロシア人で親父から日本語を覚えたんだよ」


適当に俺はロシアハーフって事にした。

アルビノのイメージが合うのはロシアっていうのは俺の勝手な偏見だ。

深い意味はない。


「そうなんですか。ロシアって…あ、タクシー捕まえますね?」


ロシアの話を振られそうになったが、ちょうどいいところにタクシーが通りかかって話を振られずに済んだ。

ロシアの話なんかわかんねーよ?

ガキの頃にソビエトが崩壊したのは覚えてるけど、そんな話をしたら俺の実年齢いくつだ?って話になる。

まあ実際は千年以上生きてるアメーバだし、この時代の地球に生きてたとしたら71歳のジジイなんだけどな…


俺がそんな事を考えてる間にタクシーは目的地に辿りつく。


「なあ?ここって?」


「はいユ◯バです」


今度は涼香と名乗った女の方が俺にそう答えたのだった。

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