第676話コレートル追撃戦(in地球)29
「コドモデスカ?」
フロゲニはリーゼの姿を見て首を傾げながら三島莉緒那に視線を送る。
それに対しての三島莉緒那の返答は首を横に振るというものだった。
それは三島莉緒那の仲間ではない事を表していた。
「まあ2人ともパパのいない間に勝手に出てったみたいだけどおかげで地球のリオ姉を見つけられたから結果オーライかな?まああとはリーゼが引き継ぐよ」
三島莉緒那の中で幼女の警戒度が跳ね上がる。
リオ姉…あたしの本名をもじって呼んだ?
つまりコイツもあたしの本名を知っている?
しかもコイツの感情は…衰えてほとんど読む事ができない自分でも、なんか嫌な感じがする…
「フロゲニ。アイツも制圧して。油断しないでっ!!ただの子供じゃないわよっ!!」
三島莉緒那は叫んだ。
即時粉砕。
それが結論だった。
「ハイ。ミオサン」
フロゲニの動きはシュドレを2度目にぶっ飛ばした動きよりも更に速かった。
油断するなと言った三島莉緒那の言葉を忠実に守り、正真正銘の全力である。
「へぇ…この惑星でここまで動けるんか。シュドレがやられる訳だね。人間にしておくのがもったいないよ」
そう言ったリーゼはフロゲニの蹴りを紙一重で躱し、そのままフロゲニの腹に蹴りを見舞う。
「ゲフッ!?」
フロゲニはリーゼの蹴りを受けてたたらを踏む。
「あれ?ちょっと加減しすぎたかな?概念を使ったシュドレの倍ぐらいの力で蹴ったんだけどな?じゃー今度はリーゼの番だよ」
そこから先はもはや蹂躙だった。
見た目はただの子供…
そんな存在に自分の自慢の護衛であるフロゲニが手も足も出ずに翻弄されている。
それから僅か1分…
「…ナニモノデスカアナタハ?」
「やめときな。足折れてるんだからそのままおとなしく座ってなよ。地球じゃお前らはリーゼ達と違って簡単には治んないんだからさ?」
立ち上がろうとするフロゲニにリーゼは言った。
地球?
概念?
人間?
何を言っている?
そこから導き出される答えは…
いや、自分はバカか?
そんな常識外れな事などありえるはずないのに…
三島莉緒那がそんな事を考えていた時だ。
「へぇ…リオ姉が言ってたけど本当に衰えてるね…見てて可愛そうになるぐらいにね?」
リーゼは三島莉緒那を哀れな者を見るような目でそう言ったのだった。




