第675話コレートル追撃戦(in地球)28
「シンダトオモッテタチアガッタノハジメテデス。アナタニンゲン?ソレトモゾンビ?」
そんな事を言うフロゲニを睨みつけながらシュドレはヨロヨロと立ち上がった。
痛みはないが視界はグラグラ揺れている。
脳震盪…
それが今のシュドレの状態だ。
シュドレの神級クラスの肉体はそれ以下の存在は傷つける事は叶わない。
だが、衝撃自体は通るのだ。
「…彩香から離れろ…」
未だにグラグラ揺れる視界の中シュドレは言った。
「オモシロイデス。オジョーサンデアソブノハゾンビヲカタヅケテカラデスネ?」
その瞬間、フロゲニは巨体に似合わない俊敏な動きでシュドレに肉薄した。
「!?っ」
シュドレは咄嗟にガードをしようとしたが間に合わない。
もしシュドレが脳震盪のダメージがなければ多少の反応はできたかもしれないが、そもそも先程シュドレをぶっ飛ばした時のフロゲニはまるで本気ではなかった。
フロゲニの蹴りがシュドレの顎に刺さる。
シュドレはそのまま天井にぶち当たってから跳ね返り、床に仰向けに倒れる。
フロゲニはシュドレに馬乗りになり、執拗に頭部と顔面を殴りつける。
「ハハハッ、フシギデス。ナンデアタマガツブレナイノデスカ?」
ドガッ…ゴシャッ…グシャッ…
部屋にはフロゲニがシュドレを殴りつける音だけが鳴り響く。
そしてついに痛みがないとはいえあまりにあまりな状況にシュドレは意識を失った。
〜
「フシギデスネ。アタマノイイミオサンナラワカリマスカ?」
片手でシュドレの髪を持ち上げ、宙吊り状態のまま気を失っているシュドレを見てフロゲニは言った。
「さあ?あたしにもわからないわ。でもこれでこの子達が死なないって事は証明されたわ。フロゲニ。あっちの子でも遊んでいいわよ。それからそっちの気絶してる方は拘束して」
三島莉緒那のその言葉でフロゲニはシュドレを放り出す。
すぐに気絶しているシュドレを防護服が取り囲み拘束する。
「嫌…嫌ーっ!!」
笑みを浮かべながら迫るフロゲニにカティアは泣き叫ぶ。
その時だ。
三島莉緒那が幼女の存在に気付いたのは…
いつからいた?
そもそもここは簡単に入ってこれるわけ…
いや、目の前に常識では考えられない死なない人間が現れたのだ。
三島莉緒那は今さらそんな事では驚かなかった。
「2人共勝手に抜け出してちょっとは反省したかな?まあ勝手な行動はリーゼも人の事言えないんだけどね?」
真っ白な髪に赤と青の特徴的なオッドアイ…
リーゼ・エルライド・イグロシアルは言ったのだった。




