第56話リース森林国観光
俺達は再び商業区にいた。
ちなみに今は闘技場にいる。
闘技場はこの世界のギャンブルだ。
5体のバトルロワイヤルで戦う、人や魔物に金をかけて自分が選んだものが勝てば儲かると言う遊びだ。
たしかに、はじめはふつうに賭けて遊んでいた。
ステータスが見える俺は、誰が強いのか簡単にわかる。
だが、目の前で3対1でボコられる俺が賭けた魔物。
「クソがっ、また負けた。」
俺は毒突く。
カティアは俺の機嫌が悪いのを知ってか、あからさまに目を合わせてこない。
ん?カティア?
おもしろい事思いついた。
「カティア、俺が賭けたヤツ以外の、相手全員に静止の魔眼ぶっ放せ。」
「なっ…」
カティアは絶句したが、しばらくすると、わかりましたと頷いた。
それからは、もはや賭けじゃなかった。
ここぞと言うところで、決まって静止する対戦相手が、ただただボコられるのを待つ、ただの見世物だった。
「ラグア様、カティア様やりましたね。アリエルからもらった交遊費が100倍になりました。」
カティアは真っ青な顔をして、やっちゃったって顔をしているが知らん。
その時だ。
「ちょっと待てや、お前らっ」
うーんテンプレ?
いや自分で作った状況だからテンプレじゃねーか。
相手は10人かー。
ちなみにカティアは俺に絡んできた相手を見て、コイツらマジか?
みたいな顔をしている。
「ラグア様、戦闘許可を。ゴミ共を肉片に変えてきます。」
エリスはすでに、戦闘態勢である。
どうすっかなー、この国であんま殺したくねーよな。
ちなみにやってる事はラグア達の方がゴミだが、そんな常識はラグアにはない。
だが、絡んでた男達は急に態度を軟化させて、ペコペコ謝り出した。
「すまん。俺達の勘違いだったみたいだ。お嬢ちゃん悪かった。」
見ると状態が魅了になっている。
カティアがやりやがった。
そんな事もあったが、俺達は賭けを続けた。
だが、途中で違和感に気づく。
俺達が賭けたヤツ以外の相手のステータスが試合開始と同時に10分の1ぐらいに変わるのだ。
これは、おそらく俺達以外にも、ふざけたイカサマをやっているヤツがいる。
けしからん。
そんな時、知った声が聞こえてきた。
「おい?セリーあからさま過ぎるだろ。対戦相手全員にデバフかけるとかいくらなんでも…」
「ライナーうるさい。絡んできたヤツらは全員、私が昏倒させたから、問題ない。ラグア様の言いつけ通り殺してはいないし、私は間違ってない。ラグア様は好きに遊んでこいと言った。私は好きに遊んでいる。」
彼らの周りには、何人もの男が倒れている。
ここにもバカ共いやがった。
俺は見なかった事にして言う。
「これから豪遊するぞ。カティア適当に遊べる場所に案内してくれ。」
「でしたら、セリー達にも声を掛けて…」
「いや、アイツらも適当に遊んでいる様だから呼ばなくていいぞ?」
エリスの言葉を俺は途中で遮る。
今、あれと知り合いだと思われたくねーし。
あっセリーがこっちに気づいた。
てか、顔が真っ青だぞ?
バレて困るならはじめからやるなよ?
〜〜〜
「申し訳ございませんっ」
今、目の前にいるのは、土下座する2人の配下。
てか、フィリム以外全員揃ったな。
アイツはどこにいるんだろう?
〜〜〜
場所は変わってとある酒場
「あ?こちとら魔王だぞ?誰に断ってここで飲んでんだ?こら?」
酔っ払って一般客に盛大に絡む、精霊魔王フィリムがそこにいた。
比較的ほのぼの回書いてみたつもりです。
主人公が主人公なので、これが限界ですが…




