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第667話コレートル追撃戦(in地球)20


残る選択肢は逃げるか従う…つまり逃亡か対話って事。


まず逃げるという選択肢…


正直転移を使えば簡単だ。

でもそれには問題がある。

三島莉緒那に顔を見られてしまった事だ。


ラグアは三島莉緒那に協力を仰ぐと言っていた。

自分とシュドレの勝手な行動が原因で計画に支障がでたら…

考えたくはないが、たぶんそのぐらいなら今までのパターンから処刑まではされないと思う。


説教…ラグアの殺気剥き出しの終わったらしばらく廃人になるという怖いアレだ。


…普通に嫌だ。


カティアは逃げるという選択肢も排除した。


さて、もう残る選択肢は一つしかなくなってしまった。


従う。

つまりは三島莉緒那との対話である。


『シュドレ。おとなしく着いていこう』


カティアのその神通にシュドレは軽く目を見開くが、すぐに頷く。


カティアの前世の年齢は22歳、対してシュドレは17歳…その前世の年齢が影響しているのかはわからないが、2人が王だった時の特色は大きく違った。

戦闘面、戦略面に長け、リンガイア王国の剛の象徴として君臨したシュドレに対し、カティアは外交面や政治面…要は武力以外を得意とした。

もちろんカティアの国もシュドレの国も互いにラグア不在時には、友好関係にあり、ラグア不在時の約30年であれよという間に大国に登りつめた。


話を戻そう。

今回のこれはどちらかというとカティアが得意とする部門である。

その相手が三島莉緒那ということにはかなりの不安はあるが、シュドレは深緑の女王と呼ばれたカティアを信じることにしたのだ。


「2人でアイコンタクトですか?答えは決まりましたか?」


目の前の男の態度は相変わらず柔らかいが、その言葉の裏には答えしだいではこの場での戦闘も辞さない事が如実に現れていた。


そんな男はカティアは意識して柔らかい表情をつくる。


「わかりました。そちらについて行きます。ただ一つ確認なのですが、結城さんと話はできるんですよね?」


ピクっ


今まで柔和な表情だった男の顔が一瞬…ほんの一瞬だけ崩れた。

だが、すぐに元に戻る。


読心で入ってくる情報によると結城澪…三島莉緒那は出てくる。

ただの拉致などではなく一応対話ができるからこそカティアはこの賭けにのったのだ。


「ええ、迎えの車を用意しております。あなた方の事を首を長くしてお待ちになっておられます」


こうしてカティアとシュドレは男に案内されるがままに高級車に乗り込むのだった。

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