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第666話コレートル追撃戦(in地球)19


『カティアどうする?誤魔化す?やる?逃げる?従う?』


神通を使ったシュドレは素早くカティアにそう聞いた。


そのシュドレの神通を聞いてカティアは素早く考える。

あまり長い時間黙っていてもいい事なんか一つもない。


最初の誤魔化すって選択はたぶんもう無理だ。

三島莉緒那は確信をもってこの男を自分達に向かわせたのだ。

あげくに自分達の態度から後ろめたい事があるのはもう完全にバレている。

カティアは誤魔化すという選択肢は捨てる。


次の選択肢…

やる…つまりは戦闘だ。

読心の情報によるとこの近辺の三島莉緒那の手下の数は目の前の男を含めて16…。

問題は二つ…

一つは勝てるかどうかだ。

神の能力が使える分、村田彩香だった頃よりは多少マシかも知れないが大差はない。


転移を連発して敵を撹乱する?

おそらく自分にできるのはそれぐらいだ。

しかも捕まえられる…要は触れられてしまうと転移は使えない…正確には使えるが、それだと自分に触れている対象まで一緒に転移する事になる。


ならシュドレはどうだろう?

ここに来る前に鷹宮の事務所シュドレとステータスについて少し話したが、シュドレの体感だと地球にいた頃より少しだけ体が軽いかな?という程度だそうだ。

ステータスは期待できない。


だが、シュドレの概念は地球でも戦闘に使える。


概念、念動…


視認できる範囲…神の千里眼と併用すればほとんど死角はないが、全ての存在…例えば神格エネルギーでさえ、概念に神格エネルギーを込めれば自分の総神格エネルギーの半分までを自らの支配下におく。


確かイグロシアルでシュドレに概念の説明を聞いた時はそう話していた。


地球でシュドレの概念がどのぐらい弱体化しているかはわからない。

だが、常人よりも遥かに有利に立ち回れるのは確か…


カティアはそこまで考えて問題に戻る。


勝てる?

いや三島莉緒那の手下を常人っていうくくりにしていいの?

大昔に一度だけ、アンチステータスゾーンの中のラグア…つまり三島鋭治を見た事がある。


あからさまに常人離れした動きだった。

あのレベルの人達が相手なら、正直概念があるとはいえ、元はただの高校生に過ぎないシュドレに頼るのは正直怖い…


そしてもう一つの問題…

それは時間をかけられないって事。

ラグアを見ればわかるようにあの手の人達は手段を選ばない。

明日の新聞の話題になるようなと言うあれは、決して脅しなんかじゃない。

ここでやり合えば周りに被害が出るのは確実だ。


私はだいぶあの世界に染まってしまったが、ラグアみたいには壊れてはいないと思っている。

確かに転生してから今までラグアの命令で誰かの命を奪う事もあった。

だけど関係ない人達を巻き込んで死者を出すような状況…少なくともその原因にはなりたくはない。

そこを曲げたらあのサイコパス達といっしょ…偽善かも知れないけどたぶんそこを踏み越えてしまったら、今後ずっと自己嫌悪に陥る事になる。


つまり必然的に戦闘も却下。


残る選択肢は逃げるか従うか…

カティアは短い時間で脳を高速回転させるのだった。

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