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第664話コレートル追撃戦(in地球)17


〜東京渋谷〜


カティアとシュドレの2人はマル9ビルにいた。


「カティ…彩香いつまでやってんだよ?」


カティアと言いかけたシュドレは言い直した。

大真面目な顔をしてカティアと呼べばあからさまに目立つのは間違いない。


「まだしばらくかかるわよ。もうちょっと待っててよ」


試着室から顔だけ出したカティアは答えた。

側からみれば2人はカップルに見えなくもない。


「てか彩香。お前金あるのかよ?俺もってないぞ?」


そう言ったシュドレにカティアは今度は手だけを出して鞄を渡す。


その瞬間シュドレの目は見開かれる。


「帯封つきの1万円札の札束が3つ!?しかもラグア様の作った諭吉じゃないこの時代のヤツじゃん!?お前まさか…」


「うん。リーゼ様が奥の部屋に篭る前に鷹宮の財布の中身を見ながら作ってたヤツよ」


「お前…ふつうにそれ泥棒だからな?」


悪びれもせずに言ったカティアに対してシュドレは言った。


「そもそも精度はともかくどうせ偽札でしょ?しかも私が持ち出したのはほんの一部だし?」


「…偽札とわかってて使うのも犯罪だからな?」


「概念で作ったこの精度のお金が見破られるとでも?万が一…いや兆が一見破られたとしてもその頃には私達…ラグア様御一行は日本にはいないわよ?」


明らかにカティアはハメを外しすぎている…

普段のカティアなら絶対こんな事はしない。


「わかった。そこはいい。まあよくないけど。服が欲しいならお前の立場…いや、俺の立場でもいくらでも手に入るだろ?今のイグロシアルにお前より役職が上のヤツなんか数える程しかいないだろ?」


「こうやって時間を使って選ぶのが楽しいんでしょ?すいません。これ全部この住所に送ってください。速達で」


試着室から大量の服を持って出てきたカティアは鷹宮の事務所の住所を書きながら店員にそんな事を言っていた。


ダメだ。

この女の暴走を止めないと…

シュドレは思ったのだった。



〜30分後〜


「シュド…悠斗君さ。私にあんなこと言ってたけど自分だって遊んでるじゃん?ゲーセンもバッティングセンターもノーマンのおかげでイグロシアルにもあるからね?」


カティアは言った。

ここはゲームセンター内にある、バッティングセンターの施設である。


「まあ遊んでるのは認めるけどさ。彩香と俺は別だよ?特にバッティングセンターはイグロシアルで俺がバットをフルスイングしたらどうなると思う?死者が出るどころか災害が起きるよ?」


オリジンゴッド…それも並のオリジンゴッドでは相手にすらならないイグロシアル最高戦力下位勢…

それが現、惑星国家イグロシアルの最高幹部にして四天王の1人、シュドレ・イロード…


「そりゃそうかも知れないけど…」


同じ転生者として生まれながら、自分とは違い実力でその地位を勝ちとった友人にカティアは若干歯切れが悪くなる。


そんなカティアがふと窓の外に目を向けたのは本当に偶然だった。

だが、それがもたらした結果は偶然なんかでは済まされない。


「えっ!?嘘…なんで?イタリアにいるんじゃ…?」


カティアのただごとで内雰囲気を察したシュドレも窓の外に視線を向けて表情を驚愕に変える。


「…リオーナ様…。いや転生前だから三島莉緒那か…」


シュドレは言ったのだった。

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