第657話コレートル追撃戦(in地球)10
「パパ?これさ。たぶんリオ姉だよね?」
「あ?…たしかにこの顔は姉ちゃんだな。てかなんだこの記事…。結城澪(22)日本人石油王と結婚…。サバ読み過ぎだろ…」
新聞雑誌を読む事、約2時間…
俺達はついに目的の一つの情報を見つける事ができた。
名前も年齢もめちゃくちゃだが、この顔は美容整形を繰り返した姉ちゃんに間違いない。
まあ計算上、実年齢76歳が22歳を名乗ってるのは恐ろしいが…
「とりあえず、今から姉ちゃんのところに向かうか。まあリーゼとシュドレにそのままコンビニに行かせた後に言うのもあれだが、この格好はさすがにナメてるようにしか見えねーわな…」
俺は周りを見渡しながら言った。
頭のおかしいコスプレ集団である。
「とりあえず着替えるか…概念、創造」
俺は創造の概念を発動させて、服を作り出す。
こうすれば外国人観光客に…無理をすれば見えない事もない…かな?
ちなみに俺の思考が何故疑問系なのかは、俺の目線の先に答えがある。
エリスはたぶんこれで大丈夫。俺とリーゼもかなり目立つがアルビノ系でなんとかなるか。シュドレは顔の造形は少し彫りが深いがワンチャン日本人に見えない事もない。
問題は…
「カティア…コイツどうするよ?」
俺は尖った長い耳と新緑色の髪…さらには琥珀色の瞳を持つ友人を見ながら呟いた。
極力目立ちたくはない。
正直大抵の事は何があってもどうにかできる自信はあるが、そもそもめんどくせー。
考えた末…
「とりあえずこれ使えよ」
俺は再び創造の概念を使用してカツラとヘッドホンとカラコンを作り出した。
〜
さて、全員の着替えが済んだ。
俺達は外に出る。
扉を開けた瞬間、歌舞伎町の街並みが目に入る。
まあ昼間だから今は人通りは少ないが…
少し適当な雑談をしながら歩いた後…
「まあ観光したいヤツもいるだろうが、まずは姉ちゃんに会うとするか。とりあえずタクシーを拾って…」
俺がそう言いかけた時だ。
「すいません。少しよろしいでしょうか?ウチの店は外国人の観光地じゃありませんよ?」
「あ?誰だてめえ?」
俺にスーツ姿の若い男が話しかけてきた。
男の話し方…無理に敬語を使っているのが丸わかりなそれは間違っても真っ当な人間が醸し出している雰囲気ではない。
「あ?そりゃこっちのセリフだよ?俺は鷹宮さんの若い衆の野崎ってもんだ。お前らが勝手に出てきた店は今俺が任されてんだよ?ちっと事務所まで面かせや?」
若い男…野崎の雰囲気が変わった。
鷹宮ってたしか…俺は遥か昔の記憶を思い出す。
確か兄ちゃんの舎弟の中で1番下のヤツ?俺が思っているヤツと同一人物ならそうだ。
「鷹宮?鷹宮亮平か?あのガキそんなに偉くなったのか?」
バチッ…
俺がそう言った瞬間だった。
おそらく野崎の仲間だろう。
俺の背中にスタンガンが当てられるのだった。




