第650話コレートル追撃戦(in地球)3
「では…今から向かうとするが…準備はいいな…?」
「ああ、問題ねーよ」
俺はオルメテウスに対してそう答えた。
地球行きの選抜メンバーを決めた翌日…
俺達はオルメテウス達と合流していた。
オルメテウス側のメンバーはオルメテウスを含めて3名…
俺側のメンバーが5名だから合計8名になる。
オルメテウスの配下は…なんか奇抜だな…
般若みたいな面を被ったヤツと、邪悪なピエロみたいな化粧をしたヤツ…
だが奇抜な見た目とは別に、力を隠しているみたいだが、その実力は計り知れない…
力を隠してるから正確にはわかんねーが、神格エネルギーだけならリーゼ達なんかとは比べものにならない。
下手すりゃ俺に匹敵…いや、さすがにそれはないか…
俺は思考を途中で中断する。
般若の面の方が口を開く。
「白天殿。主と同じ特別な存在よ。ワシの名は鬼怒。眠鬼の左腕と呼ばれている」
左腕か…
つまりピエロの方が右腕?
まあそんな短絡的に考えるのもアレだが、こんなヤツがゴロゴロいてたまるか。
「ご丁寧に…。俺はラグア・エルライド・イグロシアルだ」
俺は名前だけをそう名乗った。
理不尽なイナゴに対して長ったらしい肩書きは特に意味はない。
ましてや俺は統治者だ。
コイツに名乗るのは名前だけで十分だった。
「ではラグア殿とお呼びしよう。こうして見ればわかるように主はあまり話すのが得意ではない。これからの事はワシが代わって説明させてもらう」
「ああ」
俺の反応を見ると鬼怒は説明をはじめる。
それにしても鬼怒って…はじめて転生者以外で名前が漢字読みのヤツにあったな…
まあコイツが転生者なのかは俺は知らんが…
別に鑑定で称号の欄を無理やり見てもいいが、一応今回は協力関係だ。
あんま拗れる事はしない方がいい。
「まずこれから地球に転移すると神級に満たないものは、ただの一生物に成り下がる。一切のスキルもギフトも使用は不可能…ステータスの恩恵も無効化される…ここまではいいな?」
「ああ」
簡単な説明は前回、オルメテウスとの神通で聞いていた。
コイツが話しているのはその補足である。
「次に神級クラスの話だが…当然ながら神級スキルもスキルの一つだ。従って使い物にはならん。オリジンゴッドに満たない神級が使えるのは戦闘に関係ない神の能力…例えば読心、鑑定、神の千里眼、未来予知等だ。まあ能力自体は使えないが、神には変わりはない。同等以上の神以外の手で死ぬ…いやダメージを与えられる事はないからそこは安心していい」
つまりカティアは地球ではそのぐらいの力しか使えないってことか。
ダメージがないって事は制限がかかるだけで神格エネルギー自体は健在なのだろう。
まあカティアは正直俺の気まぐれ…
地球観光要因で連れてきたに過ぎない…
適当に危険なく遊ぶには十分だろう。
問題はこれからだ。
鬼怒の説明は続く。




