第647話オルメテウスからの神通2
『ずいぶん時間がかかったな?アラウザルゴッドなんて例の赤い場所を探せば簡単に見つかるんだろ?』
俺はオルメテウスの話から疑問に思った事を言った。
言外にわざと引き伸ばしたのではないか?という意味を込めて…
『ヤツがいる宇宙自体はすぐにみつかった…1カ所を除いて全て配下達に隈なく調べさせた…言うなれば消去法…ヤツが現在いるのはそこ以外考えられん…』
『それに2ヶ月かかったと?だとしたら思ったより早いな?』
俺は言った。
俺が配下達を使って調べさせたらもう少しかかるだろう。
しかもコレートルは腐ってもアラウザルゴッドだ。
あまり戦力を分散させるのは悪手だ。
なら捜索するペースはさらに落ちる。
下手すりゃ年単位でかかるだろーな…
俺はそんな事を思った。
『私はこれでも現存する二番目に古いアラウザルゴッド…それぐらいはできるのは当然…そして何故1カ所を探してないかというのは…その惑星の捜索がとてつもなく困難だからだ…外部からの干渉は多少はできるが…内部に入らなければ危害を加える事は一切できない…あげくに内部に入れば私達の力に大きな制限がかかる…』
『あ?なんだそのアンチステータスゾーンみたいな惑星は?』
『アンチステータスゾーンか…正確にはそこまで酷くはない…全ての力に制限がかかる訳ではないが…できる事はかなり制限される…お前達…理不尽なイナゴの好むやり方…例えば惑星ごと吹き飛ばしてから…コレートルを倒す…なんてことはまずできない…転移自体は使える…入った瞬間に大きく力に制限がかかるし…使えない力もかなり多いが…だが使える力にも相当な制限がかかる事を頭に入れておけ…』
つまりは使える能力は限られるって事か。
それがどの程度までなのかわからんが、帝級スキルでも惑星は吹き飛ばせる。
これは詳しく聞いて連れていくメンバーは厳選する必要があるな。
『で?どこだ?そのヤバイ惑星ってのはよお?』
『………地球という惑星を知っているか?』
『は?』
一瞬の沈黙の後、オルメテウスからでたその名前に俺は硬直する。
久々に聞いた…
だが時間軸が同じとは限らない…
『時間軸はどこだっ!?場所はっ!?』
俺は食い入るようにそう聞いた。
〜
うん。
場所自体はわからんかったが、時間軸は俺が死んでから32年後か…
それに問題も多い。
はっきり言って内部に入れば神に満たないヤツらは一般人と変わらない。
神級クラスでも一部の能力を除いて一般人と大差ない。
まともに役に立つのはリーゼ達クラスのメンバーからか。
俺はオルメテウスとの神通を切った後、既に冷たくなった死体の前でそんな事を考えるのだった。




