第638話対悪食戦線…その後3
「まずラグア様と別れた当初、私はかなり格下の宇宙に向かいました。まあ、その宇宙は神格エネルギーのゴリ押しで滅しましたね。最高神が初期オリジンゴッドでしたので」
「ああ」
俺は相槌を打った。
あの頃のエリローズでも初期オリジンゴッド程度ならわけなく勝てる。
「それからいくつかの格下の宇宙を潰しながら神格エネルギーを集めてアナシスタを回収して…」
「ちょっと待てっ!!そいつそういえば昔俺が殺したヤツだよなっ!?なんでお前といっしょにいるんだよっ!!」
聞き捨てならない事をサラリと流されそうになったので俺は思わず突っ込んだ。
アイツは確かイグロシアル九天の1人で名前なんつったっけ?
アナシスタとか言ってたけど、フルネームが思い出せない。
確かあの時戦いもしないで神格エネルギーだけ吸収したからな…
うろ覚えなのも仕方ないか?
「おや?私にも隠し事の一つや二つあったりするんですよ?乙女の…」
「黙れクソアマっ!!もういい続けろ!!」
なんで死んだアナシスタがエリローズの手下になっているのかは疑問だが、これ以上この話を続けたら、俺のストレスが限界になりそうなので続きを促す。
あとで時間のある時にでも聞くとしよう。
「その後も神格エネルギーを集め続けましたが、神格エネルギーがラグア様がアラウザルゴッドに至った時を超えても、私にはアラウザルゴッドになる兆しが見えませんでした。何か条件があったりするのですかね?」
エリローズは言ったがそんなのは俺も知らん。
ラピロアなら知ってるかもしれないが、おそらくアラウザルゴッドを量産する方法はないはずだ。
じゃなかったら、ラピロアはなり損ないのアラウザルゴッドだとかいう九神将をとっくにアラウザルゴッドにしているはずだ。
「あ?俺が聞きてーよ?」
「まあそうですよね…。それでも私はラグア様と肩を並べて戦う日を夢見て神格エネルギーを集め続けました。そしてある時気づいたのです。私は長年…いえ生まれた時から共に過ごした消滅の概念の力の半分も使いこなせてない事に…」
消滅の概念の力…
おそらくさっき見せた領域発生や領域纏いの事だろう。
てか俺も消滅の概念持ってるしできるのか?
「…あのですね。今のラグア様には読心が通じなくても、何を考えてるかはだいたいわかりますよ?そんなに簡単に真似されたら私泣きますよ?これでも私はラグア様の隣に立つ為に生まれてはじめて努力したのですよ?」
うん、どうやらできないらしい。
まあなくても困らないけどさ。
効果自体は概念融合の劣化版だし…
俺とエリローズの対話は続く。




