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第636話対悪食戦線…その後


「ミグ?本物のラグアの方はどうだ?」


シャドウラグアから神格エネルギーを奪った後、ミグにそう聞いたのはミュラである。

仲間のところに戻ったミグはミュラ達にラグアが偽物だった事を説明していた。


現在はアゼルメーテの宇宙に戻り、シャドウラグアから聞いたオリジナルラグアの現在いる宇宙を探っているところである。


「ガチガチだね。さっきのヤツら…リオーナとか名乗ったヤツ…あ、あれも偽物だろうけど、それより数十倍はヤバイヤツらで思いっきり守りを固めてるよ。それにラグア本人の神格エネルギーも最低でもあたしの4倍はある。ミュラっちどう思う?いってもいい?」


ミグのその質問にミュラは首を横に振る。


「妾の意見か?今回に至っては、全力で反対させてもらおう。おそらくアゼルメーテ様の後ろ盾を視野に入れても厳しいだろうな…しかも今度はこちらから攻める以上、向こうの後ろ盾…イナゴの王、ラピロアもでばってくるだろう。こちらの被害は推定でも甚大…対するラグア側にはまともな被害すら出すことができないだろう」


「あああーっ!!クソッ!!」


ミグは手近にあった小惑星に怒りをぶつける。

小惑星は塵も残さずに消えてしまった。


その時だ。


「ミグ。あまり我の宇宙で物を壊すな」


その言葉と共に転移してきてきたのは、いつもと変わらない無表情なアゼルメーテだった。


「だってアゼルメーテっ!!悔しいじゃんっ!?ラグアに配下ですらない捨て駒を食わさせて逃げられたんだよっ!?」


ミグはシャドウラグアからオリジナルラグアの場所を聞いた時、シャドウの意味を知るに至った。

血も涙もない残酷な計画…

自分では絶対に真似できないだろう。

だが、それ以上にラグアに嵌められた事が悔しかった。


「ミグ。お前は何が気に入らない?こちらは被害どころか、むしろお前は神格エネルギーの大幅な増大を成し遂げた。何が問題ある?」


「…まあ結果はそうだけどさ……」


ミグはそう口籠る。


「ミグ。ミュラが言うように今は動くべきではない。だが、いずれ必ずお前はラグアを…そして我はラピロアを超える。今はそのために力を蓄えろ。何も永遠に待てとは言っていない。時がくるのを待て」


そう言ったアゼルメーテは相変わらずの無表情だったが、そこにはかつての絶望の色はなかった。


「…そっかわかったよ…。でも聞いてアゼルメーテ?今回の件で一個だけよかった事があったんだ…」


ミグはそこで一度言葉を切る。


「ラグアが相変わらずの外道でよかったよ。牙の抜けたあんな偽物なんかじゃなくてさ?ああ…あたしは今から楽しみだよ。アイツをこの手で殺すその日が…」


ミグは遥か彼方の宇宙にいるであろうラグアを想いながら言ったのだった。

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