表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
687/1167

第531話対悪食戦線57


負けた…

生まれてはじめてって訳じゃないけど…少なくとも転生してからは感情の読み合いで負けた事はなかった。しかも負けた相手は自分以上に狡猾な悪魔の頭脳を持つ存在ならまだわかる…

こんな…

こんな…

シャドウリオーナは茫然自失していた。

そこにはもはや戦意などありはしない。


そんな中、シャドウエリローズの全神格エネルギーを込めた消滅の概念は膨れ上がる。

敵、味方関係なく全てを巻き込もうとしながら…


「あっ、こっち忘れてた。概念融合、神滅」


だが、ミグがそう言った瞬間、消滅の概念も…そしてシャドウエリローズ自身も初めから存在などしなかったかのように消え失せてしまった。


「さて…残るは…」


そう言いかけたミグは、シャドウエリローズを倒した勢いをそのままに、身体中から無数の触手を伸ばしてシャドウリオーナ以外の敵を一瞬で八つ裂きにする。

アラウザルゴッドの速度で放たれた無慈悲な触手の嵐に、シャドウエリス達は反応すらできなかった。


「…お前だけだよ」


ミグは言った。



クソっ…状況は最悪最低…

自分以外の上位勢は全滅…あげくにここまで所用時間だと、鋭治の準備が整うにはまだ半分近くかかる…


シャドウリオーナは頭を高速で回転させる。

現在は鋭治が準備をはじめてからせいぜい3時間と少し…

こんなんじゃ全然足りない。

あれだけ啖呵を切って出てきたのにこの様…

所詮自分なんかは千年の時がたとうと、弟1人守れやしない。


そう。

自分はあの頃から何一つ変わってないのだ。

約千年前にプライドを優先させて弟1人守れなかった無能な姉は千年たっても無能なままだった。


「鋭治…地獄ってあるのかしら…?それともまた転生するのかな…今度は一緒にいけるといいわね…」


シャドウリオーナが自嘲気味にそう呟いたその時だ。


「!?っ、鋭治!?」


シャドウリオーナは目を見開く。

理由は簡単だ。

鋭治…つまりはシャドウラグアからの神通が入ったのだ。


『姉ちゃん…ありがとな?準備は十分とは言えねー。ただ無策ってわけでもねー。後は俺に任せろ。俺達をコケにしやがったゴミ共に生まれてきた事を後悔させてやらあっ!!』


神通から聞こえてくる声はどこまでも力強かった。

シャドウリオーナの計算では、準備が完全に整ったとしてようやく勝機が見えてくる程度だった。

とてもじゃないが、この中途半端な準備で勝てる可能性など皆無だった。

だが…


『そうね…あんたはできる子だもんね?』


「さよなら。ゴッドバーストっ!!」


シャドウリオーナがシャドウラグアに最後の神通を送るのと、ミグの回避不能の全力のゴッドバーストが放たれるのは、ほぼ同時だった。


ミグのゴッドバーストにより、シャドウリオーナは跡形もなく消滅した…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ