第625話ラピロア襲来5
「ほんと?よかった。ならコレートルの宇宙は全部ラグアのものだ。支配するなり宙喰で神格エネルギーに変えるなり好きにすればいいよ」
まあそれはあとで考えるとしよう。
あ、そう言えば…
「そーいや、エルミナがラピロア様が言ってたオルメテウスが起きたってどういう事だ?」
「あー、それはそのままの意味だよ」
ラピロアは俺の質問に対してそう答えた。
「ん?」
「あの子はイナゴの中でも特殊でね…神眠を使ったまま動き回れるんだよ。だから普段は寝てる状態なわけ…」
「つまり俺は夢遊病に全力の神格エネルギーを防がれたって事か?」
「はははっ、面白い解釈だね。まああの子は神格エネルギーはともかく、イナゴの能力や概念の使い方と練度は天才だよ。たぶん第四形態のボクに迫るぐらいに…」
「そこまでかよっ!?」
ここで俺とラピロアの話に入ってきたのはエルミナだ。
「そうだよエルミナ。だからボクは嬉しいんだ。あの子が多少なりともやる気になってくれた事にね?オルメテウスの実力はあんなものじゃない。まあ眠鬼が完全に目覚めるところを見たのは、ボクとアゼルメーテぐらいだけどね?」
よし。
オルメテウスが完全にヤバイヤツだって事はわかった。
まあ俺と同じで生物出身のアラウザルゴッドって事も関係してるのかも知れないが…
〜
「じゃーボク達は帰るけど、オルメテウスから連絡がきたら知らせるから、たぶんすぐに神通を送る事になると思うよ?」
「ああ、わかった」
ラピロアとエルミナは俺と適当な話をした後、そう言って帰っていった。
さて…
俺は元コレートル支配下第11宇宙…たった今俺のものになったこの宇宙を見回す。
うん…
アラウザルゴッド同士の激突のおかげでかなりめちゃくちゃな有様だ。
ここはさすがにあれだから宙喰で食っちまうか…
現在俺の自由にできる宇宙は待機していた空っぽの宇宙とリーゼの中にある拠点を合わせて13…
ここはいらねーな。
俺がそんな事を考えていた時だ。
「鋭治。何考えてるか大体わかるけどやめといた方がいいわよ?あたしの予想だともうすぐ抜かれる頃よ?」
あ…
姉ちゃんの言葉で俺は思い出す。
現在シャドウが足止めしているミグ達の存在を…
神格エネルギーはシャドウの方が倍近く上だが、アラウザルゴッド相手に勝てるとは思えない。
宙喰なんかしてる時間はない。
となると…
「リーゼ。思現の神でここと拠点を入れ替えろ。それでとりあえず、そう簡単に手出しできないはずだ。下手に攻めれば返り討ちだって事は、さすがにあのゾンビスライムもわかるだろうしな?」
「そうだねパパ。発動、神級スキル、思現の神」
リーゼがその言葉で元コレートル支配下第11宇宙は俺の拠点…ウルドナートの宇宙と入れ替わる事になるのだった。




