第615話悪食2
「ぐっ…おのれ…」
「くくくっ、あと何回復活できるかな?まあ復活すればするだけ神格エネルギーはおいしいんだけどな?」
エリローズの攻撃が突き刺さったコレートルに俺は言った。
現在は先程のゴッドバーストから更に2度…コレートルを追い込んでから3度目の復活である。
一度に奪える神格エネルギーの量は段々と増え、今では俺の神格エネルギーはコレートルの倍近い…
これは実にエルミナの3倍とも言える数値だ。
まあ今回の戦いでアラウザルゴッドは、単純な神格エネルギーだけではない事がわかったから、エルミナと直接対決をしても一筋縄で勝てる保証はないけどな?
まあそんな余裕もあり、現在では俺がコレートルを抑えてエリローズに攻撃させる余裕までできている。
「さっきから神格エネルギーの10倍ボーナスが鳴り止まねーが、できればミグ達が殴り込んでくる前にきめたい。エリローズ。ラッシュをかけるぞ?」
「はいラグア様」
俺とエリローズはそんなやりとりをする。
蒼天ミグ達は現在、シャドウが足止めしているが、アラウザルゴッドじゃない以上遅かれ早かれ抜かれるのは目に見えている。
「白天、貴様ぁぁ!!」
「続きはあの世で言えよ?化石目玉がよ?」
ガキッ…
「あ?」
俺の触手が何か硬いものに当たって弾かれた。
コレートルの神格エネルギーでそんな事できるはずが…
俺はそう思いながら見るとコレートルと俺の間に1人の人物が立っていた。
その人物は片腕で俺の全力の触手の一撃を止めている。
ローブに身を包み、男か女かもわからない人物…
何者だ?
いや、今の俺の全力を防げるようなヤツがただの雑魚なはずはない。
俺は目の前の人物の警戒度をMAXにまで引き上げる。
「…白天よ…そこまでだ…此度は…ここで…退くがいい…」
中性的な声…
声を聞いても男か女かわからないような声でその人物は言った。
「あ?誰だてめえ?俺の獲物だぞ?」
言いつつも俺は迎撃態勢をとる。
コイツからは最初にアゼルメーテやエルミナに見た様な化け物の様な神格エネルギーを感じない。
いやその表現は正しくない。
そもそも何も感じないのだ。
だからこそ、目の前で攻撃を防がれるこの瞬間まで俺はコイツに気づく事ができなかった。
「オルメテウス…」
その人物は短くそう名乗った。
コイツが?
確か神格エネルギー保有量、第三位のアラウザルゴッドだったか?
俺がそんな事を考えている間にエリローズが動き出そうとするのを俺は静止する。
「待て。さすがにイナゴ2人を同時に相手はきつい。で?オルメテウス。お前は何故俺の邪魔をする?」
俺はエリローズを止めながらオルメテウスに向かってそう言ったのだった。




