第611話再会の邪神
「何者だ?貴様?」
浅黒い球体…コレトはエリローズに向かって言った。
「私達を片付ける?笑わせるな。私達を誰だと思ってる?ファザーが誇る最高戦力のフォースアイだぞ?」
「その様な中途半端な力しか持たない者如きが、私とラグア様の感動の再会を邪魔するなど、滑稽を通り越して目障りですね。さっさとご退場願いますか?」
「白天の配下か…あんまり我らをなめるなよ?」
「ファザーの敵は消す。それだけだ」
コレトとコレアは一斉にエリローズに襲いかかるが…
「遅すぎますよ」
そう言ったエリローズの両手は既にコレトとコレアの体に触れていた。
「領域発生、概念、消滅」
エリローズのその言葉と共にコレトとコレアははじめからそこに存在などしなかったかの様に完全に消え失せてしまった。
「おのれっ…」
ギロリ…
コレートルはエリローズを睨みつけた。
相対している感覚はアラウザルゴッドではない。
だが、コレトやコレア達の復活がはじまらないところをみると概念融合に近い力なのは間違いない。
コレトやコレアはいい。
重ねがけしている黄泉の神を消されたところで術者である自分がいれば、復活は簡単だ。
だが、そんな話ではない。
今の状況ははっきり言って最悪だ。
どうする…
コレートルの頭は高速で思考する。
「テオレーム、アナシスタ。それぞれあっちと向こうの援軍に入ってきなさい。はじめてみる方もいますがほとんどが古参のメンバーなので、私からの援軍だと言えば邪険にはされないはずです」
「「はっ」」
テオレームとアナシスタはそう返事をして、リーゼ達とミグ達の援軍に入る。
これでおそらく形勢はこっちに傾く。
「さて、完全に形勢逆転だな?相棒が戻った今、お前に万に一つも勝ち目はねえ。選べ。抵抗して死ぬか?大人しく殺されるか?」
コイツを配下にするって選択肢はない。
腐ってもアラウザルゴッド…
何かの間違いで寝首をかかれたらたまんねーしな?
「くくっ…くくくくっ…」
だがコレートルは再び不気味な笑い声をあげた。
「長生きはしてみるものだな。まさか儂がこんなガキ共にここまで追い込まれる事になるとはな…」
コレートルはそこで一度言葉を切る。
「これは使う予定はなかったがそうも言ってはいられぬようだ。見るがいいガキ共…これが儂の…太古より頂点に君臨し続けるアラウザルゴッドの力だ」
その直後、コレートルから黒いオーラが溢れ出す。
「概念変換」
コレートルは言ったのだった。




